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八丈島の島寿司
郷土料理
島寿司は伊豆七島の八丈島の郷土料理だ。
八丈島に行ったら是非一度は食べたくなる。
寿司屋に行かなければ食べられない訳ではない。

祝い事があれば必ず用意される一般の家庭料理だ。
八丈島なら民宿に泊まっても島寿司は案外簡単に出してくれる。
小笠原と大東島にも島寿司
小笠原にも島寿司がある。
八丈島から小笠原へ移住した人間が島寿司の作り方を伝えた。
更に大東島にも島寿司がある。
これも八丈島から伝わったものだ。

大東島で作った島寿司を那覇空港の売店で空弁として販売している。
毎日20個限定なので昼前後には完売してしまう。
島寿司のネタ
小笠原と大東島の島寿司ではサワラだけをネタに使って島寿司を作る。
八丈島では色々な魚を使っている。
刺身で食べられる魚ならなんでも使える。
キハダマグロ、カンパチ、アオダイ、クロムツ、キンメダイ、アカサバ(ハチビキ)、メダイ、オナガダイ(ハマダイ)、カツオ、シイラ、カジキ、ハガツオ、イサキ、トビウオ、イカなど色々な地元で捕れる魚で作られる。

変わったところでは岩ノリの佃煮もネタとして使うところだ。
ノリの香りが良く、すこぶる旨い。
島寿司の作り方
ネタを漬けに
では島料理の島寿司はどのように作るのか。
意外と簡単にできる。
八丈島のスーパーマーケット「あさぬま」では島寿司用として6種類のネタを30枚、パック入りで売っている。
自分で捌く場合は魚のネタは3枚におろし、骨を除き刺身用のさくを作る。
慣れない人はサクになったマグロやカツオ、タイ、ブリ、カンパチなどを買って来ればよい。
寿司用のネタは刺身より薄めにやや長めにスライスするように切る。
もしくは魚屋で寿司ネタように切ってもらうと良い。
ネタの準備が出来たら30分醤油に浸ける。
出来上がりを直ぐ食べる場合には浸ける時間は半分でもOK。
酢飯の準備
酢飯も簡単にできる。
少し甘めの酢飯を使うのが島寿司風。
米5合に対し、酢は1カップ、砂糖も1カップ、塩を大さじ1を混ぜ合わせる。
出来合いのすし酢でも大丈夫。
すし酢を炊き立て熱々のご飯にかけ、米粒を潰さないように注意し、酢が行き渡るように混ぜる。
お弁当などで食べる場合は出来たシャリを常温まで冷やすこと。
熱いうちに握ると魚が傷み悪くなる。
けれど握ったその場で直ぐ食べるならシャリが温かくても美味しい。

握る
実は島寿司は江戸前握りのようにシャリとネタを一緒には握らない。
ゆえに誰でも手軽に出来るのだ。
やや小さめに細長い俵型のおにぎりを握って皿に綺麗に並べる。
つまり握りのシャリ部分だけを先に作っておくのだ。
山葵でなく洋ガラシ
島寿司では山葵(わさび)は使わず洋ガラシ(ネリガラシ)を使う。
島には山葵が無かったからだ。
洋ガラシを適量シャリの上に塗っていく。
チューブの洋ガラシでも構わない。

仕上げは
最後に漬けにしておいた寿司ネタをシャリの上に綺麗に乗せていけば出来上がりだ。
これで完成。
ネタを乗せてから握るようなことはしない。
これなら誰でもできる。