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江之浦の孵化(ハッチアウト)は
ハッチアウトは7月10日頃が最盛期
江之浦のアオリイカの卵は毎年水温21℃、6月末から少しづつ卵が孵化をはじめ、7月10日前後に孵化の最盛期を迎えます。
全ての卵がハッチアウトすると茶色い卵の抜け殻だけが残ります。

一般的なアオリイカの説明では産卵からハッチアウトまで20日前後と表記されているものが多いです。
江之浦での最初の産卵は水温16℃の5月10日頃から始まり6月末に産卵が終わります。
卵房は古くなると茶色に
その間ハッチアウトすることはなく、最初産まれた卵房は古くなると表面が茶色く変化していいきます。

ハッチアウトまで60日間かかる卵もあれば20日間ほどでハッチアウトする卵もあります。
卵房は襲われない
ハッチアウトするまで他の魚に卵が食べられることはなく卵が入っている房には魚が嫌う物質でも入っているようです。
アオリイカの産卵が終わってハッチアウトが近づくと産卵床の上にネンブツダイが何千匹と集まってきます。
ハッチアウトは1匹づつ
ハッチアウトが始まるころ卵房全体が茶色く覆われ、波などで卵房が大きく揺れるとその刺激で卵の殻が破れ、卵房の先端から1匹づつアオリイカが産まれます。

ハッチアウトしたアオリイカの赤ちゃんは既にイカの形をしています。
全ての赤ちゃんが玉を持つ
全ての赤ちゃんは宝物のような玉を持っています。
きっと栄養分が入っているのでしょう。
最初のうちはこの栄養を吸収していると思われます。

上へ上へ泳ぐ
ハッチアウトすると直ぐ上へ上へと水面の方へ泳いでいきます。
墨を吐きながら上方へ逃げていきます。
疲れるのでしょう、時折止まって休みながらまた泳ぎ上がります。
けれどそこには沢山のネンブツダイが口を開けて待っています。
ほとんどが水面にたどり着く前に食べられてしまうのでしょう。

赤ん坊は水面で育つ
運よく水面までたどり着いたものはプランクトンや稚魚などを食べ2か月後の9月にはコロッケサイズの大きさになります。
アオリイカは大食漢で成長はとても早いです。
アオリイカは大食漢
アオリイカはコロッケサイズになればネンブツダイやアイゴの子供を襲って食べるようになります。
孵化直後に襲われていたネンブツダイを2か月後には逆に食べてしまうというのも凄い話ですね。

適当な大きさの魚ならなんでも良く食べ、エビやシャコなどの甲殻類も大好物です。
水温が下がる冬にはさらに育ち、深場へ移動します。
そして水温が上がり5月10日頃、産卵のために浅場へ移動してきます。
アオリイカの寿命
産卵を終えると親のアオリイカは一生を終わります。
多くのイカの命は1年です。