エサ争いに負けた小ヤマメがサクラマス

No128からの続き。

エサ争いに負けて川を下る小ヤマメ

ヤマメの稚魚はその流域で暮らす。

エサを思うように食べられない小ヤマメの一部はエサを求めて川を下って行く。

途中で良いエサばがあればそこで暮らす。

少数の小ヤマメはエサを求めてさらに川を下り海へ出る。

河口付近で体質改善

海に出る前、河口近くで体を海水に慣らす。

海へいきなり出れば塩水に水分を奪われ体が干からびて死んでしまう。

そのため海水を飲み、水分を体に蓄える体質に変える必要がある。

あるていどの時間をかけ体を順応させる。

体の丸い斑点模様(パーマーク)は無くなり、銀色の魚体になる。

鰓も内臓も海水で生きられる体質に変化する。

エサを求め海へでる

体質改善ができると冷たい水温とエサを求めて海へ出る。

川と違い海には豊富なエサがある。

イワシやイカナゴなどの小魚。

プランクトンやアミ、イカを捕食する。

力もつき体も大きくなっていく。

海も厳しい食物連鎖

海はエサが豊富なだけではない。

外敵も多い。

捕食されることも日常茶飯事。

食物連鎖の中、一年が過ぎて生き残れるものは10%。

海に下ったヤマメ10匹のうち1匹しか生き残れない。

難を免れたヤマメは1年で40cm~60cmほどに成長。

ヤマメと比べ30倍の大きさのサクラマスに変わり、サケのように鼻が曲がり始める。

一年で戻る

一年を過ぎた春に自分の産まれた川に戻る。

河口で淡水で生きられる体質に改善する。

川を遡上すれば淡水が体に浸透し、細胞が膨張し死んでしまう。

塩分濃度調整するための飲水を止める。

できるだけ体から水分を出さない体に変える。

体質改善できると産卵のために川を遡上する。

小ヤマメはサクラマスになって遡上産卵

サクラマスになって遡上

サクラマス
サクラマス

一般には海から遡上してきたヤマメをサクラマスと呼ぶ。

河口から自分が産まれた上流までの長い旅が始まる。

近くの荒川では数少ないサクラマスが4月末から5月上旬に遡上する。

途中には滝やダムがある。

それでも上れる流れを求めて旅をする。

滝の落差が3mあっても上る。

何度も失敗をし、流され、流れに打たれても上るまで諦めない。

故郷に戻り秋に見合い

数ヶ月かかって無事に自分の故郷の清流に帰ったサクラマス。

秋に集団見合いをする。

サクラマスの集団見合いとは産卵のためにメスを求める争い。

居残りヤマメとサクラマスの体格の差は30倍。

ヤマメとサクラマスでは争いの相手にならない。

争いに勝ったオスとメスのカップルが決まると産卵場所へ移動する。

産卵

メスは水底の砂利を尾びれで掘って掃除する。

何日もかけて産卵床を作る。

オスはこの間、見回りと争いを繰り返す。

体調の3倍ほどの産卵床が出来上がると産卵が始まる。

オスがメスに擦り寄り産卵を促す。

メスが産卵管を石に着け産卵、その瞬間にオスが精子を放精。

他のオスが割り込み射精することもある。

産卵は1度だけでなく何回かに分けて産卵。

ヤマメ産卵数400粒寿命3年、サクラマス産卵数4000粒寿命2年

サクラマスの産卵数は4000粒。

ヤマメの産卵数は200粒。

産卵を終えたサクラマスは寿命を終える。

ヤマメは産卵後も生き延び、また翌年も産卵。

2回目の産卵で寿命を終える。

ヤマメは3年生きて200粒を2回、合計400粒を産卵。

大きく育ったサクラマスは2年の短命で10倍の4000粒を産卵する。