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江之浦初クマドリカエルアンコウ見つかる

江之浦は荒れていた

西風の江之浦は凪

強い西風は江之浦を凪にする。

箱根山から吹き下ろす風が海面を押さえつけ、うねりもない。

約1ヵ月荒れていた。

久しぶりに江之浦でのダイビング。

天気は晴れ、水面の水温は25℃、水深16mでの水温は24℃。

長い間、高水温が続いたがやっと今日1℃下がった。

台風15号は荒れた

水底の雰囲気が違う。

浅場の砂が無くない。

浅場のゴロタ石は転がり回ったらしく表面の汚れが取れ、水底一面が白っぽい。

大きな岩が所々ひっくり返っている。

ダイバーひとりの力ではとても持ち上げられない大きな岩。

テトラポットも動いた。

テトラポットのいくつかは割れて転がっている。

黒アナゴが棲んでいたパイプも何処かに消えた。

あの千葉県や神奈川県を長い停電に追い込んだ台風15号の影響は江之浦にもあった。

台風のうねりのパワーは恐ろしい。

クマドリイザリウオ

イザリウオ

今日の一番の話題はクマドリイザリウオ、現在の名前はクマドリカエルアンコウ

10数年前イザリウオからカエルアンコウに名前を変えられてしまった。

イザリという言葉を知っているだろうか?

今は年よりしか知らない言葉なのかも知れない。

近年使ったことがないし、使うような場面もない。

イザリとは

イザリとは両足が不自由で歩けない人。

手で体を引きずって這うひとのことを呼ぶ。

現代では車イスを使って移動するのでそのような場面を目にすることは少ない。

イザリウオは浮袋を持たない魚で浮力の調整をしない。

泳ぐことはあまり得意ではなく、障害物の隙間に体を固定させあまり動かない。

動くときは胸ビレを上手に使って水底を這うように移動する。

この姿がイザリに似ているということでつけられた名前。

今はほとんど使われない言葉、意味すら知る人が少ない。

そして突然イザリは差別用語なのでよろしくないという理由で変えられた。

カエルアンコウ

名前をカエルアンコウに変名。

イザリウオはチョウチンアンコウと同じで頭の先にエスカーという釣り竿を持っている。

子魚が近くに来るとイザリウオは釣り師に変わる。

釣り竿の先に着いたルアーを動かし口もとに小魚を誘き寄せる。

誘われた小魚は一瞬でイザリウオの口の中に消える。

そのスピードはF1の車なみ、誰も逃れられない。

時には自分より大きな魚まで飲み込んでしまう。

チョウチンアンコウと同じ釣り竿を持つことでカエルアンコウの名前が着けられた。

英語での呼び名は Flog Fish 海のカエル魚(※カエルウオという日本名の魚は別に存在する)という意味になる。

名前を簡単に変えないで

カエルアンコウと言われても今だにピンとこない。

勝手に名前を突然変えないで欲しい。

イザリの言葉も意味も知る人は今は少ない。

江之浦初クマドリカエルアンコウ(クマドリイザリウオ)

一番人気のクマドリカエルアンコウ

一般の人にとってはどうでもよいカエルアンコウだがダイバーには人気がある。

擬態の名人で見つけるのは難しい。

けれど一カ所にとどまっていることが多いので一度見つけられると次も見つけられる。

江之浦初クマドリカエルアンコウ

そのカエルアンコウの仲間でも一番人気のクマドリカエルアンコウ。

江之浦で初めて見つかった。

過去、江之浦沖のボートポイントでは見つかっていたが江之浦ビーチダイビングでは初めて。

クマドリイザリウオ

見られれば初物、とてもめでたいので是非見つけて欲しい。

クマドリカエルアンコウの場所

ポイントはエントリーして7分ほどの深度15m近辺の投石漁礁。

目印もあるので水中ナビゲーションが出来る人にとっては見つけるのは楽。

クマドリカエルアンコウの色は白地に赤茶色のクマドリ。

大きさは5cmほどで非常に目立つ、3m離れていてもわかる。

しかし、このクマドリカエルアンコウはちょっとシャイ。

カメラやライトそしてダイバーが側に来るのを嫌がる。

オオパンカイメン(グレーのカイメン)、エツキイワノカワ(エンジの海藻)、キントキ(エンジの海藻)、岩の下などに隠れてしまう。

もし、見つからない時は3m下がって3~5分静かに動かずに止まって待つ。

白く岩を這い、物陰から出てくるクマドリカエルアンコウが見られるかも?

こんな近い場所で見られるなんて超ラッキー。

見に行くなら今!

オレンジとイエローのイロカエルアンコウも

他にも2カ所にイロカエルアンコウがいる。

大きさ1.5cmでエンジ色と黄色。

めちゃんこカワイイ。

写真を撮るのは良いけれど絶対に触らない。

居心地が悪いと居なくなる。

タッチは厳禁!