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スクーバダイビングのBCDって何? 歴史と最高峰

スクーバダイビングのBCDとは浮力調整装置

BCD

BCDは Buoyancy Compensating Device の略。

日本語でいうと浮力調整具。

BCDを使用することでダイバーは安全で楽にダイビングを実施することができる。

エネルギーの節約ができる。

水中では一切の身動きをせず中層に浮くことができる。

宇宙空間と同じ無重力感を味わうことができる。

40年前は使用しなかったダイビング講習

40年前のダイビング講習ではBCDを使用していなかった。

自分の体力と能力で実施するダイビング講習。

40年前のダイビング講習に興味のある方はこちら⇒40年前のスクーバダイビングコース

BCDを使用している人もいたが使ってない人が多かった。

初期のBCDはよだれかけ

BCDの初期は飛行機に乗るとき説明がある救命胴衣から始まった。

救命胴衣を改造した首掛け式BCD

救命胴衣は生地が弱い。

そこで外生地の中に救命胴衣を入れる2重構造にした。

これで岩に擦れても直ぐに破れない。

ホースを太くエアーの出し入れ容易に

救命胴衣はホースが細くエアーを入れるのが難しい。

また水面で空気を抜くにもホースが細いと時間がかかる。

空気の出し入れがし易いようにホースを太くした。

また前後左右自由に動かせるようにジャバラホースにした。

そしてホースにマウスピースを付けた。

空気の排出もボタン操作で行えるようにした。

BCDが体から離れないように股掛けのベルトを付けた。

これが首掛け式BCD(フロントマウント型)の誕生。

別名よだれかけとも呼んでいた。

ボタンひとつで空気を入れられる

さらにボタンひとつでレギュレターの空気が入れられるよう工夫した。

パワインフレーターホースの取り付けとインレットボタンを追加。

これで口ではなくボタンひとつで楽にBCDへ空気を入れることができるようになった。

非常に便利になった。

空気を入れすぎて破裂する問題には加圧防止弁を取り付けた。

水面でBCDに空気を入れると前側にある浮力体に引っ張られ腹側が持ち上がり、ラッコのようなポジションになる。

首周りの浮力体が視界をさえぎる問題が残った。

バックマウントタイプBCD

次に出てきたのはバックマウントタイプBCD。

背中側に浮力体があり馬蹄型をしている。

水中のバランスは良い。

けれど水面ではやや前のめりになる傾向がある。

このタイプのBCDは浮力を大きく設計できる。

超大深度潜水のダイビングでは有効性がある。

現在も使用されている。

ジャケットタイプBCDの最高峰

ジャケットタイプBCDの誕生

現在使用されるBCDのジャケットタイプが誕生する。

ベストのような形をしたBCD。

さらに2重構造の生地だけではなく1重構造のBCDが誕生。

最初に販売したのはスキューバプロの商品名スタビライジングジャケット。

当時オレンジ色の憧れのBCD。

今でもBCDのことをスタビと呼ぶ年配の人もいる。

1重構造のBCDは生地の強度を維持するのが難しく、スキューバプロ以外のメーカーは2重構造を採用。

大き目のジャケットタイプBCDはカッコ悪い

そして新たにデザインが大きく変わったのがショルダーベルトタイプの開発。

ジャケットタイプのBCDは大きめだとフィット感が悪い。

水面では浮力部分が頭部の左右に膨らみ視界を邪魔する。

ショルダーベルトタイプBCDの開発

ショルダーベルトタイプBCDの開発によりほとんどの人間が自分の体にピッタリあったBCDが使えるようになった。

一部を除いてほとんどのダイビングメーカーがショルダーベルトタイプBCDを製作。

そして現代では1重構造生地のショルダーベルトタイプBCDが一般的。

メーカーと機種によってそれぞれ特徴の違いはあるものの生地が丈夫でフィット感が良くなっている。

そして近年さらに進歩したBCDが登場。

スクーバタンクの重さを軽くする AXIOM BCD

スクーバタンクの重さを軽く感じさせるBCD。

実際に背負ってみると2kgほど軽く感じる。

フィット感、安定感、耐久性も良い。

タンクへの取付も今までより容易。

たぶん今世界で一番楽なBCD

現在の最高峰は AXIOM BCD