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ムレハタタテダイ
そろそろ時間も後半をむかえリーフに沿って浅場へ移動します。
身体に溶け込む窒素のスピードを遅らせ浮上の準備をするためです。
砂地とリーフの境をゆっくり泳いでいくと綺麗なムレハタテダイ(false moorish idol)の群れが現れます。

ムレハタテダイはチョウチョウウオの仲間です。

中層を泳ぐのは流れてくるプランクトンを食べるためです。
一匹だけで泳いでいると目立つので外敵から襲われ易いです。
けれど群れで泳ぐことで外敵の目を混乱させ、襲われた時も群れ全体で知らせ合うので逃げるのに都合が良いと思われます。
またエサが流れてくるプランクトンなので群れて生活していてもエサが無くなることはありません。
ハタタテダイ
似た魚にハタタテダイ(pennant coralfish)がいます。
ハタタテダイは群れを作らず単体もしくは2匹ぐらいで泳いでいることが多いです。(群れを作ることもある。)

エサはサンゴのポリプや岩に着く藻や底生生物を食べています。
ムレハタタテダイが流れてくるプランクトンを求めて中層を泳ぐのに対しハタタテダイは水底近くをエサを捜しながら泳いでいます。
群れないのでエサを獲り尽くしません。
大きさはハタタテダイの方がやや大きくなります。
色や柄は、ほとんど同じで見分けるのはちょっと難しいですね。
群れて中層を泳いでいればムレハタタテダイ、水底近くを1~2匹で泳いでいればハタタテダイと分けるのが一番簡単で良いと思います。
ムレハタタテダイとハタタテダイの違い
ムレハタタテダイとハタタテダイを正確に見分けるには背びれの刺の数を数えることです。
ムレハタタテダイが12本、ハタタテダイが11本の刺が有ります。
でも泳ぎ回ってる魚の背中の刺の数は見えません。
刺で見分けるのは無理ですね。
他には尻ビレの模様がほんの少しだけ違います。
尻ビレの先端の白と黒の境の部分です。
(A)白色の先端部分が鋭角
白色の先端部分が鋭角に尖っているのがムレハタタテダイ、多少楕円っぽくなっているのがハタタテダイです。

(B)顎から腹ビレにかけて大きく湾曲
顎から腹ビレにかけて大きく湾曲しているのがムレハタタテダイ、やや湾曲しているのがハタタテダイです。

(C)水底の生物を突っつく
ハタタテダイは水底の生物を突っついて食べているのでムレハタタテダイより口が多少尖がっています。

たぶん形状による判別はムレハタタテダイとハタタテダイの様々な写真とか図鑑を何度も何度も繰り返し見てわずかな違いを覚えるしかないと思います。
見分け方の5ポイント
①中層でプランクトンを食べてるのがムレハタタテダイ、水底のサンゴなどを啄んでいるのがハタタテダイ。
②中層で群れているのがムレハタタテダイ、水底近くで1~2匹で泳ぐのがハタタテダイ。
③尻ビレの先端、白黒の境部分。白の三角模様が鋭利角なのがムレハタタテダイ、丸い楕円っぽいがハタタテダイ。
④顎から腹ビレにかけて湾曲が大きいのがムレハタタテダイでやや湾曲しているのがハタタテダイ。
⑤2匹を比べて口が尖っている方がハタタテダイ。
と見分けたい方は上記の5ポイントをもとにチャレンジしてみて下さい。