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クマノミとイソギンチャクの家訓
クマノミの仲間がなぜイソギンチャクと一緒に棲んでいるのか知っていますか?
クマノミとイソギンチャクには以下のような家訓が有るからです。
1、イソビンチャクはクマノミを食べません。
2、クマノミはイソギンチャクを食べません。
3、イソギンチャクはクマノミを守ります。
4、クマノミはイソギンチャクを守ります。
この4つの家訓を生涯守ります。
彼たちには言葉も字も有りません。
そんな事を教えてくれる人もいません。
ましてこんな家訓を言う、おと姉もいません。

凄いですね。
不思議ですね。
誰も物言わず、誰も教えず、誰も伝えず
このような事を自然に当たり前のように彼たちは守り暮らしています。
何百年何千年さらにその昔から、何度も何度も世代交代を繰り返す度に少しづつ変化し、DNAの中に組み込まれ、生まれた時から教えられずとも体が覚えているのです。
イソギンチャクはクラゲやサンゴの仲間で腔腸動物
イソギンチャクもクラゲと同じように触手に毒の刺胞を持ち、プランクトンや小動物、魚などを捕らえて、弱ってから口元に持って行き食べます。
でも普通クマノミをイソギンチャクは食べません。
けれどクマノミをイソギンチャクに食べてしまうケースが有ります。

それは初めてのイソギンチャクの中にいきなり入ったり、クマノミの表面の粘膜を取り去ってしまった後にイソギンチャクの中に入るとイソギンチャクに食べられてしまう事があります。
イソギンチャクにクマノミは食べられない
最初にイソギンチャクにクマノミが入る時には慣れが必要です。
最初に少しだけイソギンチャクに触れ問題の無い程度だけ刺胞に刺され毒を受け入れます。
少し時間をおいてまた更に少しづつ刺され、これを繰り返すことによりクマノミはそのイソギンチャクの刺胞に刺されない粘膜を体の表面に分泌することが出来るようになります。
このようにしてクマノミは刺胞に刺されない粘膜を体の表面に作ることでイソギンチャクの中で生活することが出来るようになります。
なので違うイソギンチャク(違う毒)の中にいきなり入ってしまうと刺胞に刺され毒により弱りエサとなってしまう事があります。
またクマノミの表面の粘膜を取り去り(自然界ではあまり有り得ない事)今棲んでいたイソギンチャクに戻しても刺胞に刺されエサとなってしまいます。

上手にイソギンチャクに接近出来たクマノミはイソギンチャクを家とすることが出来、イソギンチャクの毒により他の魚から身を守ることが出来ます。
ときおりクマノミは自分には食べられない大きなエサを見つけると銜えて運びイソギンチャクに食べさせることも有ります。
イソギンチャクとクマノミの生活環境が整った家庭では
家訓
1、イソビンチャクはクマノミを食べません。
2、クマノミはイソビンチャクを食べません。
3、イソギンチャクはクマノミを守ります。
4、クマノミはイソギンチャクを守ります。
この4つの家訓を生涯守ります。