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釣った魚を直ぐに氷で冷やす意味、臭いとアニサキス

魚を氷で冷やして生臭さを防ぐ

生臭い魚

刺身を食べるのに生臭いのはNG。

生臭い刺身など食べたい人はいない。

でも魚なら生臭いのはあたりまえではないか?

なぜ刺身は生臭いと思わないのか?

日本料理には魚を知りつくした技がある。

そのひとつが魚を氷で冷やす。

海外の魚は常温

海外では魚を捕ったあと氷を使わないことが多い。

赤道直下の暑い国でも魚を捕ったあと氷(高価)を使わない。

常温のまま放置する。

魚が悪くならないのか?と心配になる。

刺身で食べる習慣もなく、火をとおして食べるスタイルなので問題はない。

そのようなフイッシュマーケットはとても生臭い。

当然、刺身で食べられるような鮮度はない。

日本の漁師は氷で冷やす

日本の漁師は捕れた魚を生かしたままにするか、直ぐに氷で冷やして出荷に備える。

当然鮮度が良い魚の方が市場でも高い値段がつく。

生きていれば鮮度が良いし、新鮮な内に氷で冷やせば鮮度は維持される。

日本では刺身で食べられる魚でなければ市場には出せない。

死後の腐敗

捕った魚は死んだあと死後硬直を過ぎ熟成し腐敗していく。

このときに温度が高ければ腐敗の速度が早まる。

死んだと同時に臭いも出てくる。

腐敗のスピード

魚の体は同じ状態で全体が腐敗へ進むのではない。

部分々によって腐敗へのスピードは違う。

腐敗が早く進む細胞もあれば遅い細胞もある。

ヌメヌメが臭う

表面のヌメヌメは一番最初に臭いを放つ。

魚は生きている時から生臭い。

その匂いは死ぬとさらに強くなる。

このヌメヌメを氷で冷やすことで臭いをおさえる。

氷で冷やさなければヌメヌメが腐敗して生臭さを増すことになる。

内蔵も臭う

内蔵も腐敗が進む。

魚が食べた胃の内容物は消化され溶けていく、

死んでしまうと胃の内容物は発酵し腐敗していく。

腹の中が腐敗臭で充満する。

氷で冷やすことで発酵と腐敗を遅らせ、臭がでることをおさえる。

ゆえに新鮮なうちに氷で冷やすことは刺身で食べるために一番最初の手順。

冷やすはアニサキス症の予防

アニサキス

氷で冷やすことはアニサキス症の予防にもなる。

アニサキスはもともとイルカやクジラの腸内で繁殖する白い線虫。

糞と一緒に体外へ放出されたアニサキスの卵がアミ、エビ、魚、イカなどに食べられ食物連鎖と共に宿主を変える。

アニサキスは宿主の腸内で成虫へと発育していくがイルカやクジラの腸に入らない限り繁殖はしない。

アニサキスは陸上では生きられない

アニサキスは陸上では長くは生きられない。

人間の体内でも長くは生きられない。

2~7日間で死ぬ。

アニサキス症になっても7日間我慢すれば痛みはなくなる。

アニサキス症にかかるとき

イワシ、サバ、カツオ、タラ、イカなど肉食の魚達にはアニサキスが寄生している可能性が高い。

魚を捕獲したとき、腸内にいるアニサキスは静かにしている。

けれど宿主が死んで時間が経つと体内温度が上がるため苦しくなり、腸内から筋肉へ穴を開けながら移動していく。

この筋肉へ移動したアニサキスを刺身として食べた時にアニサキス症が起こる。

人間の胃や腸に入ったアニサキスは暑く苦しいので胃壁や腸壁を食い破って筋肉へ逃げ込もうとする。

この時に激しい痛みに襲われる。

アニサキスごと氷で冷やす

魚を氷で冷やすことはアニサキス症の予防にもなる。

新鮮なうちに冷やして、内臓にいるアニサキスごと取り除いてしまえばよい。

魚を捕ったその場でエラや内臓を取りさればアニサキスの問題は少なくなる。