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真冬の江之浦でダイビング 、擬態魚2匹とネッタイミノカサゴ

現場でないと分からない海況

江之浦は北東の風6mの予報

2月4日真冬、1年の内いちばん寒い時期。

北東風6mが吹き、雨の予報。

この風向きだと江之浦は真沖からの向かい風、6mの風だと波がたち江之浦はエントリー禁止になる。

そう思いながら早朝、夜も明けぬうちから車を走らせた。

途中で江之浦の海況を確認するとさざ波程度で通常通りオープンすると言う。

実際江之浦へ到着すると雨は降っているが風も波も弱い。

海況は現場でないと分からない。

貸し切りの江之浦

水中に潜ると水温は15℃。

昔の2月の水温に比べ1~2℃高い。

透明度12m。

周囲も良く見える。

波があると思ったのかダイバーは少ない。

他の車は2台しかない。

海は貸し切り状態。

擬態の名手2匹と熱帯性のネッタイミノカサゴ

ライト無しでは見つけられないハナタツ

深度10mの大岩のとなりの豆腐石(ケーソン)の上面に茶色いハナタツがいると言うので行ってみた。

ハナタツとは関東近辺に多いタツノオトシゴ。

現場に着くと表面は茶色の藻が全体を覆っている。

例えハナタツがいても保護色で分からない。

自然光は暗い。

色もハッキリ認識できない。

ハナタツ
自然光のハナタツ

この写真の中にハナタツがいるのだが分からない。

そこでライトを当てる。

色が再現される。

ハナタツ
ストロボライトを当てたハナタツ

体中皮弁に覆われ、赤い体は右向き、中央右に目があるのでハナタツだと辛うじて解かる。

擬態疑色の天才。

ここに居ると言われなければ見過ごしてしまう。

エサを捕食する時は特別早いイロカエルアンコウ

そして同じく擬態疑色の得意な魚。

イロカエルアンコウ、7cmの大きさ。

赤い色は深い水中では紫に見え、目立たない。

ダイバーに人気。

イロカエルアンコウ

ザラカイメンの根元近くに隠れていた。

この魚は泳ぐのが得意ではない。

環境が良ければ何日も同じ場所にいる。

胸ビレの棘は人間の指のように動き、ヒレ全体を手のように動かせる。

両方のヒレをしっかり広げてカイメンを掴み体を固定する。

ただひたすら動かずに目の前をエサの小魚が通るのを待つ。

エサの大きさは最大自分の体と同じ大きさまで食べてしまう。

小魚が目前を通り過ぎる瞬間、口をめいっぱいに開け水ごと吸い込む。

その速さは魚類の中でも特別早い。

人間の目には一瞬で魚が消えたように見える。

真冬に熱帯性のネッタイミノカサゴ出現

寒いはずの2月の海だが珍客が現れた。

水温15℃の海にいるような魚ではない。

名前はネッタイミノカサゴ

ネッタイミノカサゴ

同じミノカサゴの仲間だが熱帯地方の温かい海を好む。

大きさ12cm。

胸ビレの先端が糸のように伸びるのがネッタイミノカサゴの特徴。