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嘉比島と安慶名敷島でダイビング

生憎、雨のケラマだけど海の中は晴れ

梅雨の明けない沖縄

夜中に大雨の音で目が覚めた。

時計を見れば1時半。

外は台風のような雨風。

例年なら梅雨明け後1週間、大凪を期待していた。

天気はわからぬもの。

未だ沖縄は梅雨前線の中。

うつらうつらと空が明るくなるのを明晰夢の中を漂う

どうせ濡れる

明るくなっても空はどんより、雨は止んだり降ったり。

心はなまり色。

晴れない心を引きずりながら船に乗り込みポイントへ向かう。

ウエットスーツのおかげで寒くはない。

ダイビングポイントは嘉比(ガヒ)島

飛び込んだ海の水温は27℃。

暖かい。

そして青く遠くまで見える。

昨年は台風の影響が少なく、サンゴの被害なく育っていると聞く。

オオイソバナの赤と透き通る藍色が心の曇りを忘れさせる。

オオイソバナ

何処までも透けて見える世界

深度26m、何処までも透けて見える海。

青の向こうには何がいるのか。

透明度は40m以上。

内海でこの透明度なら外海はどれほどか。

パラオの海を思い出す。

コロナ禍のケラマ

コロナ禍で昨年は来るのを取りやめたケラマの海。

以前よりもきれいになった。

そんな気にさせる。

サンゴは以前より育っている。

台風の影響が少なかっただけでなく、昨年のダイバーの来島数も少ない。

生物たちが元気、アグレッシブ。

コロナ感染は魚たちにとっては良い1年だったのかもしれない。

安慶名敷(アゲナシク)の思い

賑やかな深度6m

久しぶりの安慶名敷。

水中はあまり変わらない様相。

けれど深度6mの浅場に来ると大騒ぎのお祭り騒ぎ。

岩の表面には魚、水面にも魚、岩陰にも魚。

魚でグチャグチャ、とにかく魚がいっぱい。

攻撃する魚

こんな浅い深度になぜこれだけの魚がいる?

それだけじゃない。

人間が近づいても逃げようとしない。

岩に指をかければ魚に突つかれる。

小さな魚に人間が怒られる。

とても愉快。

ウッセーウッセーウッセーヤ

カチカチ音を出して威嚇する。

体当たりして退場のREDカードを出す魚。

目の前でウッセーウッセー言い寄るやつ。

小さいのにとても気が強い。

名前をオヤビッチャ

名前をオヤビッチャという。

丸い平たい形、青グレーの体色で中央部分はやや黄色、5本の藍色の縞がある。

オヤビッチャ

大きさ16cm。

岩の周りから水面までいっぱい。

ピンクの卵がいっぱい

突つかれる手元の岩をよく見れば・・・。

岩肌にはピンクの小さな粒。

隙間がないほどぎっしり。

こりゃオヤビッチャの産卵

産卵のため水底から水面までオヤビッチャがいっぱい。

岩をつかんだ手は卵を潰している。

そりゃ怒るわ。

大きな敵を撃退

我が子を襲う怪物に体当たりをするオヤビッチャ。

体の大きさが100倍以上大きな人間に対し、命を賭して卵を守る。

人間がゴジラに素手で戦いを挑むのと同じ。

オヤビッチャの勇気は凄い。

この魚に敬意をはらいたい。