Contents

伊豆大島で今年一番のダイビング

伊豆大島、夏のダイビング

残暑厳しい大島

今や恒例となった8月の伊豆大島のダイビング。

今年は好調の海となった。

風も弱く島全体何処に潜っても凪という感じで波が無い。

空は青空の中を太陽が東から昇り空をまたいで西へ沈んでいく。

ときおり三原山にかかった雲が岡田の港に雨を降らすがそれさえも気持ちが良い。

島中残暑で涼しさに飢えている。

大島の2つの潮

海の色は東側と西側ではまったく色が違う。

東側は緑色で透明度は10m前後、秋野浜の水底水温は18℃にも下がる。

夏の水温としてはしては低い、冬と変わらない。

台風や低気圧の影響が今年は少なく深層水と表面の潮が混じらない影響が出ている。

大島だけでなく伊豆半島など関東全体の海がこの傾向。

乳ヶ崎を交わして西側の海は青く透明度20~30m、水面水温は30℃もある。

野田浜の水底水温は26℃、大島の夏らしい。

強流の沖

沖は流れが強く、流れが水面を持ち上げる。

黒潮の支流が入っている。

イルカが波乗りを楽しめそうな波、その下は激流のような流れ。

久しぶりに見る野田浜沖の流れ波。

野田浜BELL

流れ波の下には岩根

この流れ波がおきる下には大きな岩根がある。

強い流れが大きな岩根に当たると流れが水面に持ち上げられる波が出る。

まっ平らな凪の海にそこだけ流れ波ができる。

この流れ波の下に潜れたら最高なのにと思いながらボートへ乗り込む。

強流の中のダイビング

船長は流れが速すぎて流れ波の下へ潜るのは無理、泡を追って皆を捜すことが出来ないという。

初日は2ダイブとも岸近くを流れに沿ってドリフトダイブ。

海へ入った瞬間30℃の水温と透明度の良さに八丈島の海を想い出す。

水底深度24mまで潜ると水温18℃、透明度は良いが冷たい。

あまりの水温の低さに手がしびれてきた。

スターウォーズの世界

寒さに負けて深度14mの暖かい水温層へ浮上。

少しでも下がると寒いので暖かい水深をkeepして流した。

途中幾度もかげろうのようなモヤモヤが視界を遮る。

水底がスターウォーズの世界のように過ぎて行く。

そんな中をイサキの群れだけが流されることも無く泳いでいる。

イサキのように流れに逆らうことはできない。

イサキ

トカラ列島のような流れ

30分の潜水時間は過ぎ、水面に上がると潜降した場所ははるか遠く、2kmぐらいは流れたか?

約2knot(ノット)の流れは凄い。

トカラ列島のダイビングを想い出す。

今年1番のダイビング

スーパードリフトダイブ

2日目も暖かく透明の良い東側のダイビング。

ダイブ1は浅い所をスーパードリフトダイブ、2本目に流れ波の下の岩根に挑戦。

砂地深度22mを潜降して流されていくと岩根が出現。

岩根の上は流れが早いので岩根の手前、水底近くを沖へ向かう。

やがて深度が深くなると岩根の上に移動。

岩つかみ前進

強い流れの中を岩をつかみながら歩腹前進。

岩を離せばたちまち流されてしまう。

休みながら徐々に岩根の先端まで移動する。

岩根の先端下は深度40m、先端の岩につかまると全景が見れる。

流れに飛ばされない魚

数えきれないキンギョハナダイ、イサキ、ニザダイ、メジナなどがこの強流の中を飛ばされずに泳いでいる。

メジナ

吐いた泡は真横に流れる。

横を向けばマスクがずれ、レギュレターの排気弁がめくれて水が入ってくる。

ブダイ、タカノハダイ、ウツボ、アカハタ、カサゴはいつもどおりの顔。

1mほどのヒサラマサが沖からやってくる。

ネムリブカもいる、アオウミガメも泳ぐ。

1m越えの大きなクエは平然と水底近くの深みで休む。

クロマグロもやってきた

しばらくすると珍しい魚がやってきた。

クロマグロの子供、メジマグロの群れ、大きさは4kgほど。

視界の右から、流れに登るように沖から悠々と泳いできた。

彼らにとっては強い流れも問題ない、庭を散歩するように泳ぐ。

ヒレはあまり動かしていない。

およそ30匹の群れは皆の目前をゆっくりと通り過ぎて行った。

残圧少なく浮上

そしてタイムアップ、残圧も少ない。

皆同時に浮上、BCDにエアーを入れ浮力を補正する。

気を抜けば皆がバラバラになる緊張の瞬間。

水深5mで安全停止後、水面に上がると青い空と眩しい太陽が待っていた。

今年一番の強烈な楽しい海だった。

皆の笑った顔が眩しい。