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害のあるナメクジ、エスカルゴはなぜ食べられる?

カタツムリナメクジ

そろそろ出てくるナメクジやカタツムリ

沖縄はもう梅雨入り。

1か月後には本州も梅雨に入る。

この時期、現れる嫌われものナメクジ。

貝殻を背中にしょわせるとカタツムリ。

両方とも軟体動物。

隠れ家の貝を捨てて進化したのがナメクジ。

海の中の生物に置き換えるとナメクジはウミウシでカタツムリは巻貝、生物学的にも両方軟体動物。

陸上のナメクジに比べると海中のウミウシの方が種類が多く、大きさや色も様々。

陸上のナメクジのエサは草木花野菜などの植物に対し、海にいるウミウシのエサは様々。

海藻をエサとするウミウシ、カイメンをエサとするウミウシ、ヒドラやクラゲをエサとするウミウシ、ウミウシを食べるウミウシと種類によって違う。

ウミウシは綺麗なものや可愛いものも多くて人気があるのにナメクジは人気が無い。

また同じように海中に棲む巻貝の種類も多い。

 

カタツムリは人気

カタツムリは貝を背負って歩き、貝殻をつまめば手を汚さずに触ることも出来る。

目を突けば縮こませ、体を突けば貝殻に閉じこもる。

デンデンムシという愛称をもらい、マイマイという別称もある。

カタツムリの唄まである。

「でんでん虫々  かたつむり
 お前のあたまは  どこにある
 角だせ槍だせ  あたまだせ

 でんでん虫々  かたつむり
 お前のめだまは  どこにある
 角だせ槍だせ  めだま出せ」

ナメクジは不人気

カタツムリに比べるとナメクジは人気がまったくない。

唄など誰も作ってくれない。

体はネバネバするので触ろうともしない。

カタツムリと同じ、目を触れば縮こませる。

カタツムリの名前が3種類もあるのにナメクジはただひとつ。

貝があるかないかでここまで差別される。

ようするにナメクジは気持ちが悪い。

ナメクジもカタツムリも害がある

ナメクジもカタツムリも草木花野菜などの植物をエサとする。

食べようとしたレタスにナメクジが付いていたら気分が悪い。

気持ち悪くて食欲をなくす。

ナメクジやカタツムリの粘液には雑菌も含まれいる。

ナメクジやカタツムリの付着した可能性のある野菜はよく洗ってから食べる必要がある。

広東住血線虫の寄生

また広東住血線虫(かんとん じゅうけつ せん ちゅう)の問題もある。

広東住血線虫の最終宿主はネズミ。

ネズミの糞をナメクジやカタツムリが食べることで寄生する。

広東住血線虫に寄生されたナメクジやカタツムリを食すと人間の体内に広東住血線虫が入り込む。

寄生した広東住血線虫はやがて脳へ入り込み命を奪うことがある。

オーストラリアで遊びでナメクジを食べた青年が脳へ広東住血線虫が入り込み重体になった。

昏睡状態が420日間続き、麻痺状態になり8年後に絶命する事件が起きた。

レタス、キャベツ、ホウレンソウなどをサラダで食べるときには葉の間にナメクジやカタツムリがいないようによく洗う必要がある。

ナメクジを駆除する

ナメクジによる食害

大量のナメクジが野菜に穴を開けて売り物にならなくなる。

大事な植木や花を食べられてしまう。

そんなことにならないようにナメクジを駆除する。

塩をかける

昔からの方法は塩をかける。

ナメクジの体内の水分が出てやがて死に至る。

けれど多量の塩分が土壌に入ることは植物に良くない。

湯をかける

熱い湯をかければナメクジは死ぬ。

飛び散る熱湯で火傷をしないように注意。

ビールをオトリに

飲み残しのビールを鉢の受け皿に入れて放置する。

ビールの臭いにナメクジが集まってくる。

皿の中に入ったナメクジは溺れて死ぬ。

中性洗剤や漂白剤

台所で使用する界面活性剤の入った中性洗剤やハイターなどの塩素が入った漂白剤でもナメクジを退治できる。

ナメクジ用殺虫剤

ナメクジ専用の殺虫剤や殺餌をホームセンターなどの園芸売場で販売している。

エスカルゴ(カタツムリ)は何故食べらる?

エスカルゴはカタツムリ

エスカルゴはカタツムリのこと、フランス料理で有名。

カタツムリを貝殻から出して内臓を取り、ニンニクとパセリのみじん切りとバターで炒める。

料理に使用するカタツムリはリンゴマイマイなど大型のフランス産のカタツムリを使用。

日本へ輸入されるものはアフリカマイマイを使用。

もともとは野生のマイマイを使用する料理だが現在は管理養殖されたマイマイを使う。

管理養殖されたマイマイは選ばれたエサを与えられ屋内で育てらるため広東住血線虫の寄生は考えられない。

さらに熱を加えた料理をすることで広東住血線虫の心配はなくなる。

エスカルゴは料理したものを

ナメクジもカタツムリも無理して食べる必要はない。

野生のナメクジやカタツムリには広東住血線虫が寄生している可能性が高い。

また、粘液には雑菌が付着している。

生で食べるなどは食中毒を起こすだけでなく、不自由な体になり命をも落とす可能性もある。

どうせ食べるならフランス料理シェフの作った美味しいエスカルゴを。