サクランボの出来ない桜

桜の時期も終わり

桜の開花時期、ソメイヨシノが終わり八重桜の時期になった。

新型コロナウイルス感染が拡大、満開したソメイヨシノは花見の人間も少なく散っていった。

今年も綺麗に咲いて散っていったソメイヨシノは何のために咲いていたのだろう。

春告げる桜

春が来れば毎年見事なまでに人の心を魅了する。

これほど春の訪れを感じさせるピッタリした花はない。

けれどこのソメイヨシノは何のために花を咲かせているのだろう。

玉蔵院枝垂桜

ソメイヨシノの種(たね)は作れない

ソメイヨシノは江戸末期に人間が作りあげた桜の一品種。

ソメイヨシノは自家受粉が出来ない。

いくら綺麗な沢山の花を咲かせても受粉することが出来ない。

同じ桜の木が何十本、何百本、何千本あってもその桜が全てソメイヨシノであるならば受粉することが出来ない。

ソメイヨシノは純粋な子孫を作ることが出来ない特別な桜。

ソメイヨシノ同士では受粉も出来なければサクランボも種も出来ない。

種が出来なければ子孫を増やすことが出来ない。

人間に好まれるソメイヨシノ

種を作れないソメイヨシノには人間に好まれる鮮やかさがある。

冬枯れの枝から最初に咲くのが花であり、花が散った後に葉が出てくる。

そえゆえに桜の花色が強調され、散りぎわも美しい。

同じ桜の木でも葉を着けてから花が咲くウワミズザクラやミヤマザクラという種類もあれば、花の開花と同時に葉をつけるヤマザクラやオオヤマザクラという種類もある。

島と暮らす~shima to life~

桜ソメイヨシノが咲く理由

ソメイヨシノの増殖

種を作れないのになぜこれだけ多くのソメイヨシノが増殖出来たのか?

公園には必ずというほど桜が植えられている。

この桜のほとんどはソメイヨシノ。

また道路側に植えられるのもソメイヨシノ、お城の周りに植えられるのもソメイヨシノ、川端に植えられるのもソメイヨシノ。

これだけ多くのソメイヨシノの苗木はどのように育てているのか?

ソメイヨシノは種から育てることは出来ない。

ソメイヨシノの増殖方法は3つ

そのためソメイヨシノは以下の3種類の方法で苗木を作っている。

  1. ソメイヨシノの枝を切って挿し木を作る。
  2. ソメイヨシノの枝を切ってヤマザクラの根株に接ぎ木する。
  3. ソメイヨシノの苗木にする枝のもとの樹皮を取り、水蘚を巻く。根が生えてきたから枝を切取り苗植えをする。

ソメイヨシノは今までこの3つの方法で苗を作って育ててきた。

全てのソメイヨシノはクローン

つまり全てのソメイヨシノはクローンで作られた桜、人間で言えば血縁関係である。

最初の1本のソメイヨシノから3つのクローン再生技術で数多くのソメイヨシノの苗を作ってきた。

そしてそのソメイヨシノの苗を公園や道路、城に植えて桜の名所を作ってきた。

ゆえに1本のソメイヨシノが咲けば、ほぼ同時に一緒に植えられた兄弟の桜が咲き乱れる。

また数日の違いがあってもその地域の親戚の桜が一斉に咲き乱れる。

一斉に咲き乱れる美しい桜も人間に好まれる桜、ソメイヨシノの魅力。

ソメイヨシノも実をつける

ソメイヨシノは絶対に実をつけない訳ではない。

ソメイヨシノ同士では受粉することは出来ないが近くに違う桜の種類のヤマザクラなどが咲いていれば受粉することができる。

もし、ソメイヨシノに小さなサクランボが実ったら、きっと近くにヤマザクラがあるはず。

実ったサクランボは小さく、やがて赤黒く変色する。

食べても害はないが美味しくはない。

渋かったり、酸っぱかったり、苦かったり。

ソメイヨシノが花を咲かせるのは人間のためではなく、やはり子孫繁栄のため。

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