見えない荒川の水中

荒川の視界3cm

やはり濁っている。

透明度は30cmほどかと思っていたがとんでもない、一桁違った。

3cmだ、ほとんど見えない。

残圧計も確認できない。

ドライスーツの空気を抜き、水底に着底するまで息を吐き潜降する。

視界は土色

水中に沈んだ瞬間、視界は土色に変わる。

ただし先は何も見えない。

焦点を合わせる物が何もない。

自分が潜降しているのか?

浮上しているかもわからない。

荒川

明るさで判断

さらに息を吐き続けると土色が暗くなっていく。

沈んでいる。

深くなれば暗くなる。

浅くなれば明るくなる。

残圧計は見えない、ダイブコンピューターや深度計なども見えない。

およそ水底は深度2m、見えない水底は日の暮れほどの明るさ。

方角が解らない

コンパスも見えないので方角の確認も出来ない。

水底の泥を持ち上げてマスク直前で離し、流れる泥煙の方向を見て下流方向を判断する。

泥を大きく巻き上げればそれさえも見えなくなる。

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移動は捜索ロープ

視界0cm。

捜索ロープが無ければどちらへ動けば良いのかも解らない。

捜索ロープと流れの方向だけ確認しながら移動する。

捜索物は人工廃棄物

捜索物は人間が作り出した廃棄物、ビニール、容器、空き缶、パイプ、タイヤ、毛布、カーペット、プラスチックの破片など色々。

小さなものはネットに入れ、大きなもの、重いものは一回々陸上スタッフに渡す。

捜索は水底が見えない視界状況なので手探りで捜す。

片手は捜索ロープを握り、残りの手で水底をなぞる。

水底の泥の危険

水底の泥の中には何があるか解らない?

ビンや陶器、ガラスの破片もある、カミツキガメやギギの毒針もあるかもしれない。

厚手のグローブでなくては危なくてやってられない。

手を切れば恐ろしい破傷風の危険もある。

病院はどこも新型コロナウイルスの患者で緊張状態、これ以上の仕事を増やすわけにはいかない。

荒川の水温は9~13℃

装着しているのは冬用の3mmクロロネオプレーンゴム制のグローブ。

水中でグローブを外せば冷たくてたまらない。

手探りで触れるのは沈木もある。

その太い枝先が見えない水中で突然マスクを突き破りそうになる。

下手に当たればマスクが割れる、時には消波ブロックの角が突然顔面に現れる時もある。

そのたびに胸がドキっとする。

危険すぎて早く泳ぐこともできない。

荒川

捜索方法

捜索ロープを握り、片手でゆっくり水底をさらう。

小さな半円形を書きながら手の届く範囲を感触を頼りに進む。

手に触れた瞬間、それが危険物であるか判断する。

沈木や消波ブロックであればそのまま破棄、人工物のみ回収していく。

深度3mは暗い

深度3mになると明るさはさらに減る。

船の下や桟橋の下になれば夜と同じ真っ暗闇。

水底は見えないがそのうち錯覚が見えてくる。

見えないはずの水底が見えてくる。

透明度が3cmしかない水中で水底が見えるはずがない。

見えないはずの水底は海底に似ていた。

岩があり、石灰藻がついている。

手で触る感触は泥ばかり、錯覚なのだと確認する。

川なのに満ち引き

ここは海から27kmも上流なのだが潮の満ち引きが影響する。

満ち引きによって深度が1m以上変化する。

朝と昼では岸も違う。

フルフェイスマスクを使用

マスクはフルフェイスマスクを使用。

顔と口まで覆っているので濁った水を飲まなくて済む。

通常のレギュレターで潜っていたら腹を壊しそうだ。

水はあまり入ってこない。

ゴムベルト5カ所で顔に固定している。

水が入ってくるとかなり冷たい。

ゴムベルト下部2カ所は緩いとずれ上がり、アゴのゴム部分が口を遮断し息が出来なくなる。

ずれてくるたびにフルフェイスマスクを下げ、ゴムをきつく締めていく。

口でも鼻でも呼吸ができ、水もほとんど入らないのでマスククリアの技術は使わない。

これは楽も知れない。

タンクの空気は使いっぱなし

フルフェイスマスクを装着した瞬間からタンクの空気を使う。

水から上がり、フルフェイスマスクを外すまでタンクの空気を使い続ける。

オクトパスなども使えない。

あったとしてもフルフェイスマスクをしている限り使えない、くわえることが出来ない。

魚の気持ち

荒川の魚はこのよう環境で育っている。

水温が低く、透明度は3cm。

コイ、フナ、ニゴイ、マルタ、セイゴ、アユ、ブラックバス、コグチバス、サクラマス、ハクレン、ウナギ、ナマズなどまだまだ色々な魚が棲んでいる。

透明度3cmの水中ではエサが目前に無いと見えない。

音を振動で感じ、臭いでエサを捜す、見えた瞬間にエサであるか判断し、数少ないエサを捜す。

ここの魚も厳しい世界で生きている。

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