腹を上にあげるオビアナハゼ

奇妙な動き

ちょっと気になる魚をみつけた。

神奈川県小田原市江之浦海岸の深度8m、2019年2月3日。

白っぽく瞼に入って来たこの魚はオビアナハゼ

名前はハゼだがハゼではない。

カジカの仲間で小魚や小エビなどを好んで食べる。

なぜ白く見えたか?

それはお腹を斜め上にして口を半分開けて呆けたような顔をしていたからだ。

なんだ?

いつも腹を上にすることなどない。

何をやっているのか?

見始めたら腹を下にしてしまった。

気になって見ているとまた腹を上に向けだした。

腹の真ん中、尻ビレと胸ビレの間が何か白く盛り上がっている。

肛門から腸が少し飛び出たように見える。

もしかして・・・

気になる部分をクローズアップ

さらにアップ

肛門ではなくこれは産卵管。

海藻に産卵しようとしているのか?

そして次の瞬間、始まった。

オビアナハゼの産卵

カイメンの中に産卵

産卵管をザラカイメンの穴に入れ、全身に力を入れて体をブルブル小刻みに振るわす。

背骨をそって口を半分あけ精神を注入。

この世に生まれてきたのはこの一瞬のため。

なんか悶絶してるように見える。

写真ではわかりにくい。

あっと言う間

その時の動画がこれ ⇓ 産卵の瞬間はわずか1秒。

あっと言う間の出来事。

産卵後は疲れたのか?

恍惚状態が続く、産卵管をザラカイメンに入れたまま動かない。

アナハゼは交尾をする

アナハゼの仲間は魚にしては珍しく生殖器を持ち、交尾をする。

オスは肛門の近くに2本の生殖器を持ち発情期がくるとメスの体内に射精する。

アナハゼの他に交尾をする魚はサメ、エイ、ウミタナゴ、カサゴなどがいる。

その他一般の魚はメスが卵を産み、オスが精子をかけて受精するのが普通。

交尾するメリット

交尾する魚は体内で受精し、孵化をさせた子供を産む。

交尾をすることで卵への受精の確率が上がる。

体内で孵化させ少しでも稚魚を大きく育ててから産むことで稚魚の生き残る可能性が高くなる。

子供ではなく卵を産む

けれどアナハゼは交尾をし、体内受精した後に体内で孵化せず、卵を産む不思議な魚。

理由は解からない。

アナハゼの交尾は11月頃に行われ、カイメンの中に産卵する。

産卵の時期は12月末~2月。

今の時期、潜りに行けばカイメンに産卵するアナハゼを見かも?