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八丈島のキョン
ガキデカ
40年以上前に流行った漫画「ガキデカ」に出てきた言葉。
実際の八丈島には昔から野生のキョンはいない。
八丈植物公園の柵の中で飼育されている。
なぜこの動物が漫画に出てきたのかは意味不明だ。
それまで殆どの日本人はこの動物を知らなかったはずだ。
そして今そのキョンが脅威となって話題になっている。
千葉県で被害
千葉県房総半島、勝浦市、いすみ市、鴨川市、君津市で多くの被害が出ている。
推定生息数50,000頭
推定生息数50,000頭とされる。
キョンは小型の鹿の仲間で大きさ体長70~100cm、体重10~15kg。
オスには短い角がある。
出身は中国
本来は中国東部と台湾に分布し、日本には居なかった外来生物。
2005年に特定外来生物に指定され、許可なく日本国内に持ち込んだり国内で飼育したりすることは現在は禁止。
草食性で草や木の葉、果実などを食べる。
警戒心が強く、通常は夜間に行動する。
群れを作らず単独生活をする。
メスは生まれて半年で成熟し、1回の妊娠で1匹の子供を産む。
出産後直ぐに妊娠可能な体になる。
決まった繁殖期はなくメスは一年中繁殖する。
行川アイランドから脱出
もともとは千葉県勝浦市にあったテーマパーク「行川アイランド(2001年8月に閉園)」で飼育されていた6匹のキョンが逃げ出して16年で50,000頭までに増殖した。
イネ、イモ、イチゴ、トマト、カキ、ミカン、スイカなどの農作物被害が発生している。
また夜中に塀を飛び越え民家の庭に入り花壇の花を全部食べてしまう被害や車との交通事故被害も発生している。
伊豆大島でも
動物園から脱出
東京都立大島公園内の動物園で飼育されていたキョンが1970年代の台風の被害で柵が壊れて逃げ出したものが増えている。
現在の推定生息数13,000頭。
大島でも同じように農業被害が出ており、島特産のアシタバは深刻な被害となっている。
千葉県の柏市でも目撃報告があり江戸川を渡れば東京にも進出してくる。
生息地の断定困難
夜行性で群れを作らず小型のキョンは生息地を断定するのが難しい。
またキョンの生態も良くわかっていない。
繁殖力も強く被害が大きくなる前に早い対処が必要だ。
鳥獣保護法に指定されていないキョンは罠での捕獲が中心になっている。
2014年の千葉県での捕獲数は2,200頭、大島では1,000頭にとどまっている。
東京では対策本格化
東京都は2017年5月にキョン対策を本格化させると発表。
大島の地元と協力してキョン捕獲チームを結成し、チーム名を公募する。
千葉県では捕えたキョンにGPSを取り付け生息状態を調べキョンの根絶を目指す。
キョンの利用
キョンの料理は狩猟の無い日本ではない。
台湾や中国では食材の材料として使用されている。
数年後にはジビエ料理、キョンの紅葉肉、キョンのソーセージなどが出てくるかもしれない。
また、なめし皮はきめがとても細かく、セーム革の中でも最高級品とされている。