地震の前になぜナマズは跳ねる
言われは江戸時代
ナマズが跳ねると地震がおきる。
そんな言葉が流行りだしたのは江戸時代初期のこと。
安政見聞誌に伝説が残っている。
その内容は以下のようである。
伝説
「本所永倉町に篠崎氏という人がいる。
魚を釣ることが好きで、毎晩川へ出かけていた。
地震当日の夜も数珠子(じゅずこ)という仕掛けでウナギを取ろうとしたが、鯰がひどく騒いでいるためにウナギは逃げてしまって一つも取れぬ。
しばらくして鯰を三匹釣り上げた。
さて、今夜はなぜこんなに鯰が暴れるのだろう?
鯰の騒ぐ時は地震があると聞いている。
万一大地震があったら大変だと、急いで帰宅して家財を庭に持ち出した。
これを見た妻は変な事をなさると言って笑ったが、その後に大地震があって、家は損じたが家財は無事だった。
隣家の人も漁が好きで、その晩も川に出掛けて鯰のあばれるのを見たが、気にもとめず釣りを続けた。
そして大地震が起こり、驚いて家に帰って見ると、家も土蔵もつぶれ、家財も全部砕けていたという。」
ナマズが沢山跳ねていたので地震がくることを予知した伝説だ。
また地震は地中で大ナマズが暴れるので起こるとも言われる。
宮城県の鹿島神社では要石でオオナマズが暴れるのを防ぎ祀っている。
科学的には
結果ナマズが地震を予知するということは科学的には証明されていない。
しかし、ナマズには体全体の表面に昨日話をしたサメと同じロレンチーニ器官が存在する。
人間や鯉の100万倍の弱電流を感じることが出来ることが解かっている。
地震は地表のプレートとプレートの歪と動きによって発生する。
地震がおきるプレートの歪と動きの前に地中で弱電流が生じ、その微弱な電流をナマズが感知して暴れる。
多くのナマズが地震の前に水面を跳ねるという理由はこれではないだろうか。
地震が起きても地中で微弱な電流の動きが無ければナマズは跳ねない。
ウナギにも
さらにウナギにもナマズと同じようにロレンチーニ器官が体表に存在する。
その感度はナマズの10倍と言われる。
ナマズよりもウナギの方がもっと良く地震の予知をしているかもしれない。
安政見聞誌の伝説ではナマズは釣れてもウナギは怖がってエサを食べなかったのではないか。
また、海ではサメも地震を感知しているかもしれない。