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自然いっぱいの八丈島
テント生活1週間
初めて八丈島を訪れたのは今から40年前。
スキューバダイビングを始める前の話。
テントを背中に背負って1万円を握りしめて1週間の旅に出た。
東京港竹芝桟橋から夜発のフリージア丸に乗って太平洋を南下。
白い水の尾と東京の夜景が見ながら心弾んだ。
インディゴブルーの海
朝、目が覚めると今まで見たこともない濃い海の青さに驚いた。
波間に何匹ものトビウオが飛ぶのを見て心が躍った。
八丈島の底土港に到着。
すぐ近くに、はまゆうキャンプ場(はまゆうキャンプ場は閉鎖。現在は近くに観光協会が管理する底土野営場がある)に厄介になった。
雑木林の空き地にテントを張る。
早速、八丈島の海へ入った。
スキンダイビング
海水浴はしない。
岩場からマスク、スノーケル、フィンを着けて飛び込む。
水中は遠い先まで見える。
今までの何処の海より素晴らしい。
底土の桟橋の長さは今の3分の1ほどの長さ。
自然いっぱいの底土
底土の海岸には砕波ブロックのテトラポットもなかった時代。
片手には1本銛を握りしめ、魚を追う。
岩場の穴には必ずハマルユキというタカラ貝かトコブシが入っていた。
ハナマルユはお土産、トコブシは晩餐のおかずになった。
沖へ行くとニザダイの大群がいた。
岩場を啄みながら泳ぐ姿に感動した。
夜釣りは08:30
夜は底土の桟橋で毎晩夜釣り、1匹50円の冷凍ムロアジがエサ。
毎晩決まって午後08:30になると竿が満月に曲がった。
毎回釣れるのは綺麗なロクセンフエダイ。
あまりに綺麗なので食べるのは止めてリリース。
数えきれない星空と涼しい風、温まったコンクリートが気持ち良い。
思い出のキャンプ生活
寝つきは良い
朝から一日中、炎天下の中をテント張り、炊事、海、炊事、夜釣りとよく動いた。
疲れていないわけがない。
睡魔は直ぐに襲ってくる。
おやすみ~
眠りの中で背中が冷たい。
テントに雨の音。
地面に直接シートをひいていたため傾斜に沿って水が中に流れてきた。
真夜中に背中が濡れて飛び起きた。
本来はテントの周りには溝を掘るものでそれを怠った。
悪いことは続く
翌晩も睡魔は直ぐにやってきた。
何の夢を見ていたのだろうか?
夢の中で誰かが右手を握る?
握るにしてはちょっと小さい?
ひげみたいのが動く・・・?
目を覚まし、右手の中にいるものを叩きつける。
真っ暗なテントの中で懐中電灯をつけるとそこには大きなゴキブリが走っていた。
ゲゲゲ・・・
悪いことはさらに続く
今日こそは変なことが無いように殺虫剤を撒く。
その晩も睡魔は直ぐにやってきた。
この日の夢はやはり誰かが手を握る。
昨日と同じ右手だ。
握るにしてはちょっと小さい?
昨日と同じだ。
ひげみたいのが動く・・・?
やばい!
目を覚まし、右手の中にいるものを叩きつける。
懐中電灯で照らされた正体は?
黒いムカデ。
しばらくは指の付け根がヒリヒリ痛んだ。
二度あることは三度ある。
その後、テントで宿泊する経験は一度もない。