走水のブランドアジ、大アジを釣りに行く

潮の流れが速い走水

噂には聞いていた。

三浦半島観音崎、走水の大アジ。

東京湾の入り口近く、浦賀水道の一部でもあり潮の流れが速い。

流れが速いために走水と名前が付いた。

東京湾の豊富な栄養が走水のように流れてくる。

ブランド走水大アジ

ここで育つアジは強い流れに逆らって泳ぐ。

そして腹いっぱい食べる。

十分な栄養を体に蓄え巨大に育つ。

関の大アジがブランドとして有名だがこの走水の大アジも大きさと脂の乗った味で今やブランド化されている。

船宿に1番乗り

早朝4時、高速を走る。

さすがにこの時間は車も少ない。

久しぶりの釣行に心もはずむ。

コロナ禍など色々な状況もありアジ釣りに行くのは何年ぶりだろう。

それも走水の大アジは行ったことが無かった。

気がつくと予定よりも1時間も早く船宿に到着。

外はまだ暗い。

準備に時間をかける

大アジ釣り

早く着いたぶんゆっくり準備ができる。

まずは着替え、風よけ潮よけにカッパ。

水に濡れる足元は長靴。

首にはタオル、帽子をかぶる。

ライフジャケットを着用したら出来上がり。

乗船すると指定された着座で準備をする。

クーラーに氷、バケツに水、竿掛けをセット、エサを準備。

リールの電源をセット、最後に仕掛けを準備して出航。

ポイントまでは15分。

猿島よりの沖合。

懐かしい景色。

遠方に雪化粧した富士山。

隣席は30年の常連

隣は常連さんでこの船の大アジ釣りに30年通っているという。

「走水の大アジは脂が乗って美味い」

「型が大きい」

「今やブランド」

「釣り方は水底から3m」

「リールのカウンターで水深を覚えておくと良い」

「水底に重りが付いたら直ぐに巻き取りなさい」

「糸が緩むと絡まる」

「など細々と教えてくれる」

気にいってくれたのか?

何かと話しかけてくれる。

30年の1人釣行、話しかける相手がいるので嬉しいらしい。

走水の大アジは釣れる?

水深42m

仕掛けを入れると水深42メートル。

アジ釣りとしては深い。

船はアンカーせず、糸を見ながら船を立たせてくれる。

海流と同じに船を流す。

左右に頭を振ることも無く、釣り糸が真っすぐ水底に向かうように操舵する。

初心者女性客も多い

乗船客は20人。

右舷10人、左舷10人。

平日なのにほぼ満席。

常連さんだけでなく子供連れも2組。

女性2人を連れたグループが3組。

ビシカゴにイワシミンチを詰め、釣り針には赤タンと言われるイカを赤く染めたものを使う。

5年ぶりの電動リール。

使い方も忘れている。

大アジ釣り

最初はエサ巻き

エサが水底に着いたら2メートル巻き上げて竿を振ってイワシミンチを巻く。

さらに1メートル巻き上げてもう一度竿を振ってイワシミンチを巻く。

後は竿を動かさずに1~2分待つ。

あたりが無かったらこの動作をやり直す。

さらに魚が喰わなければ仕掛けを船上に引き上げ、イワシミンチを詰め替える。

けれどなかなか釣れない。

やっぱり初めてではダメなのか。

時間だけが過ぎる。

周りの人は・・・

と思っていた。

2回目に仕掛けを入れたら竿先ビンビン

水底に仕掛けが着いて2メートル上でエサ巻き、さらに1メートル上でエサ巻き。

そこで待っていると直ぐにあたり。

竿をブルブルしながら上がってきたのは36cmもある大アジ。

さすがにデカイ。

3回目も4回目も仕掛けを入れると釣れてくるのは36cmの大アジ。

引き味の感覚はない。

竿掛けに竿を固定。

仕掛けの巻き上げは電動リール。

40メートルも糸を巻かなくて済むので楽。

でも釣り味がわからない。

その後も魚は釣れる。

このまま続いたらどうしよう。

釣れ過ぎるなど心配無用

世の中はうまく出来ている。

連れた後にはちゃんと釣れない時間も存在する。

釣れない時間が長いと暇。

連れ過ぎれば贅沢な言葉を口にする。

何事もほどほどが良い。

楽しい時間は過ぎるのが早い。

大アジだけでなくマダイも釣れる走水

終了間際に事件

後10分で終了と船長の予告アナウンス。

最後とばかり、自作の仕掛けに代えて投入。

エサも多めに巻く。

大きなあたり

20秒後、大きなあたり。

竿先が上下に大きく揺れる。

電動リールをスタート。

巻き上げが始まる。

けれどなかなか上がらない。

巻いては止まり、また巻きはじめる。

途中巻き上げが止まるだけでなく、逆転して糸が出ていく。

ドラグが鳴る。

こりゃちょっと大物かも?

そしてゆっくり上がってくる。

糸が絡んじゃってるね

かなり浅くなってから隣の常連さんから一言。

「糸が絡んじゃってるね。」

なんのこと?

水面近くで赤い魚体確認。

タイだ。

マダイだ。

水面まで上げると隣の常連さんと仕掛けが絡まりグジャグジャ。

玉網ですくい上げる。

マダイが釣れた

すると常連さんが言い出した。

「タイが釣れた!タイだ!マダイだよ!マダイが釣れた!」

だからさっきから言ってるのに・・・

グジャグジャの仕掛けは切っていいですよ。

切り離した瞬間。

クーラーボックスに消えたマダイ

マダイを常連さんは自分のクーラーボックスへ入れてしまった。

???????

今、何が起きたのか?

悪夢をおさらい。

現実をもう一度見つめなおす。

ふ~ん。

明らかにマダイの引きの感触が手に残る。

口にはたぶん金色の釣り針が掛かっていたはず。

まっいっか。

引きだけ楽しめれば十分。

マダイに執着心はない。

30年のキャリアがあってもそんなに持って帰りたいのね。

常連さんにとってマダイは高価なのだ。

ならば新参者は黙って心に笑顔をつくることにした。

数分後マダイは2000円で売れた

数分後に常連さんが動き出した。

クーラーボックスへ納めたマダイを持って帰ってくれと差し出した。

「私が釣ったマダイか確信できない。あなたが釣ったマダイかもしれない。」

そうだよね。

それ俺の釣った魚だよね。

綺麗なマダイだね。

40cmぐらいだね。

顔が拝めたから良し。

常連さん持って帰ってください。

さっきはあれほど素早くクーラーボックスへ入れたのに今度は偉く拒み始めた。

料理が大変だから貰ってくれと言うと最後は2000円札を掴んでこれで何かを買ってくれという。

常連さんは2000円で気持ちの整理を付けたかった。

お金はいらないけれどそんなに喜んでくれると嬉しいじゃないか。

大アジ
大アジ これで半分

釣果は36cmの大アジは8匹、合計21匹

結局のところ釣果は36cmの大アジは8匹。

他は21匹の丸々の20~25cmの標準サイズアジ13匹、合計21匹。

料理が大変なので近所の塩天丼のマスターに大アジ3匹、標準アジ7匹を貰ってもらった。

翌日マスターからの大アジフライのプレゼントがあった。

塩天丼のアジフライ