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鼻水とティッシュペーパー
花粉の飛ぶ季節
花粉の飛ぶ季節。
花粉症の人にとっては耐え難いシーズン。
朝起きればクシャミで始まり、鼻水がタラリと垂れ、続いて鼻づまり、マスクをしても症状は緩和されない。
ティッシュが手放せない
ティッシュが片時も手放せない春。
気を弛めれば鼻水が垂れていることも気づかず、恥ずかしい姿を見られてしまう。
ティッシュが無ければハンカチやタオル、手拭いで拭き取るしかない。
今の時期はBOXティッシュが山ほどあっても困らない。
逆に沢山あれば安心。
とこりでこのティッシュっていつ頃から使われていたのか?
6000年以上も昔
その歴史はかなり古く約6000年以上も昔、メソポタミア文明の頃。
「ハンムラビ法典」の石柱には「勝手に他人の紙を使った者は鼻をそぎ落とす」と刻まれている。
エジプトのピラミッドにある壁画にはパピルスで作った紙で鼻をかんでいる姿が描かれている。
紙の文化はインド、中国に伝わり、日本へ入いる。
そして和紙が出来る。
和紙と現代の鼻紙であるティッシュペーパーは少し違う。
パピルス紙に比べれば比較的最近の話になる。
ティッシュペーパーの歴史
ティッシュペーパーはアメリカ生まれ
ティッシュペーパーが生まれたのはアメリカ。
第1次世界大戦中にアメリカ陸軍や赤十字は戦場での負傷兵の治療に大量の綿(わた・コットン)が必要だった。
しかし、大量の綿(わた・コットン)は簡単に入手できない。
綿(わた・コットン)は綿の木を育て、花が咲いた後に実がなり、その実が割れて綿ができる。
それを収穫し、乾燥させた物が機織りや治療で使う綿。
綿を栽培するには暖かい土地で半年かかる。
必要な綿(わた・コットン)の不足に悩まされ、綿に変わる代替品が何かないかと模索していた。
最初のティッシュペーパー
アメリカのキンバリー・クラーク社は綿に変わる新素材を開発。
その時生まれたのが木材繊維(セルロース)を加工して丸めた新素材「セルコットン」、一種の紙綿。
これが最初のティッシュペーパー。
新素材セルコットン(ティッシュペーパー)を大量に生産して戦場へ送った。
綿に代わる物として戦線の外科治療の現場で利用される。
ティッシュペーパーは治療用の綿の代替えとして利用されただけではない。
毒ガスマスクのキャニスター
当時、塩素ガスなどの毒ガス兵器を使うようなっていた。
塩素ガスと言えば台所除菌剤や漂白剤からも発生するガス。
毒ガスから身を守るために使用されたのが毒ガスマスク。
毒ガスマスクのキャニスターと呼ばれる空気を濾過、清浄する部分に使われたのが活性炭素の吸収能力と濾過通気能力のあるティッシュペーパー。
ガス通過部分に活性炭素を詰め、ティッシュペーパーで蓋をする。
戦後大量に余ったティッシュペーパー
やがて第1次世界大戦が終了。
すると必要の無くなったティッシュペーパーが大量に余った。
戦争用に作った大量のティッシュペーパーが売れなければ会社としては大問題。
化粧品の使い捨てハンカチ
考えたキンバリー・クラーク社は約100年前の1924年ティッシュペーパーを化粧品落しの道具として販売。
当時、化粧品を落とす時に女性たちはハンカチやタオルを使っていた。
使ったハンカチやタオルは洗って汚れを落とし、乾かし、繰り返し使用するので面倒。
キンバリー・クラーク社はティッシュペーパーをただの化粧品落しの道具ではなく、使い捨てハンカチとして販売した。
使い捨てなので、使用後に洗ったり、乾かしたりする面倒がなく、清潔的で便利なティッシュペーパーはたちまち女性の心を捉える。
化粧用品ではなく使い捨てハンカチという使用目的なので男性にも隔たりがない。
クリネックス(KLEENEX)ティッシュ
名前をクリネックス(KLEENEX)ティッシュとつけ、cleanなイメージを植え付け当時の消費者に清潔感を連想。
これが世の中にクリネックスティッシュが広まった最初。
クリネックスティッシュはキンバリー・クラーク社が販売するティッシュペーパーの登録商標。
アメリカではクリネックスティッシュが有名になりすぎてティッシュペーパーのことをクリネックスと呼んでいる。
そして世界へ広まった。
日本に入ってきたのは1953年
けれど日本へ入ってきたのはかなり遅く、1953年に高級使い捨てハンカチとして。
1963年になって山陽スコット(現日本製紙クレシア)が日本で初めてスコット・トイレットティッシュを製造発売。
翌1964年にはBOXティッシュが初めて発売。
その後、日本でもティッシュペーパーの使用は広まっていき、質も改良。
日本生まれのポケットティッシュ
販売促進品としてポケットティッシュが生まれ、宣伝広告を入れて無料で配られる。
海外ではティッシュペーパーの需要はあっても日本のようにポケットティッシュの需要は多くない。
家庭ではティッシュペーパーを使用するが屋外で利用するのは今でもハンカチが多い。
日本のティッシュペーパーの利用量はアメリカの3倍。
水洗トイレにティッシュペーパーは不向き
ティッシュペーパーはしっかりした繊維質の紙ゆえ水洗トイレで流すのには向かない。
トイレットペーパーは水洗トイレで使用することを目的に作られ、水に溶ける紙を使う。
ティッシュペーパーは水に濡れても直ぐには溶けず、排水溝を詰まらせる原因になる。
BOXティッシュやポケットティッシュは水洗トイレで大量に流すと目詰まりを起こす。
トイレットペーパーとティッシュペーパーは違う。
まとめ
鼻水とティッシュペーパー
花粉症には欠かせないティッシュペーパー。
紙の歴史は約6000年前から。
ティッシュペーパーの歴史
アメリカ生まれのティッシュペーパーは約100年前に生まれた。
綿の代替品として作られ、毒ガスマスクにも使われた。
戦後大量に余ったティッシュペーパーを化粧品を落す使い捨てハンカチとして販売。
ポケットティッシュは日本生まれ。
日本のティッシュペーパーの利用量はアメリカの3倍。
水洗トイレにティッシュペーパーは不向き。