蒸籠(せいろ)に乗る、もり蕎麦(そば)

日本蕎麦はもり蕎麦

子供の頃、そば屋に出前を頼むけれど何が食べたいかと聞かれる。

聞かれても、もり蕎麦しか知らない。

他のメニューが解からない。

熱いつけ汁に浸かった蕎麦は舌が火傷するので食べずらかった。

ゆえに蕎麦の出前を頼む時は毎回もり蕎麦だった。

竹の簾(すだれ)

不思議なことにもり蕎麦は竹の簾に乗せられて出てくる。

水を切るための工夫だと思っていた。

けれど昔からの習慣だった。

後にそれをせいろと呼ぶことを知った。

蒸籠(せいろ)

せいろは漢字で蒸籠と書き、小籠包などを蒸す道具だ。

蕎麦を茹(ゆ)でる前には蒸していた時代があった。

せいろに乗せて出すもり蕎麦をせいろ蕎麦とも呼ぶ。

蕎麦屋によって呼び名を変えているが同じ蕎麦だ。

せいろ蕎麦と呼ばれると何かちょっとお洒落で高そうな感じになる。

もり蕎麦とせいろ蕎麦の違い

同じ蕎麦だが違うこだわり

出来合いの生麺や乾麺を茹でて出す店はもり蕎麦と言う。

蕎麦粉から麺を打ち、茹でて出す高級な日本そば屋はではせいろ蕎麦と呼んでいる店が多い。

もり蕎麦よりもせいろ蕎麦の方が値段が高く、量も少なめ。

蕎麦粉から作る蕎麦の方がどうしても手間がかかり、材料費も高くなるのでもり蕎麦よりせいろ蕎麦の方が高い。

それだけ美味しい高級な蕎麦がせいろ蕎麦。

蕎麦だけじゃ物足りない

蕎麦だけでは栄養も偏りそうだが昔はそれでよかった。

お腹が膨れれば。

けれど最近はもり蕎麦だけでは物足りない。

天ぷらも一緒に食べたくなる。

蕎麦屋の天ぷらは旨い

天つゆと蕎麦つゆは似ているので日本蕎麦にはピッタリと良く合う。

ほとんどの日本そば屋では天ぷらを上手に揚げてくれる。

でも不思議なことに天ぷらもり蕎麦や天もり蕎麦というメニューは何処にもない。

天ぷらともり蕎麦が一緒になると天ざるというメニューになる。

天ぷらの付いたざる蕎麦だ。

高級日本蕎麦屋では天ざるまたは天せいろと呼ぶメニューになる。

もり蕎麦とざる蕎麦

その違い

もり蕎麦とざる蕎麦は何が違うか?というと値段が違う。

ざる蕎麦はきざみ海苔が乗っていて、値段が高い。

もり蕎麦は長方形のせいろ、ざる蕎麦は正方形または丸いせいろに乗せられる。

または両方とも笊(ざる)に乗せて出す店もある。

蕎麦とつゆの味は、ほとんどの店で同じ。

昔のざる蕎麦

昔のそば屋の中には、ざる蕎麦は蕎麦の実の中心部分だけの粉で蕎麦を打ち、特別な白い麺を出した店があった。

また、ざる蕎麦のだし汁は鰹節の1番だしを使い、モリ蕎麦のだし汁は2番だしを使って差をつける店もあった。

つけ汁に当時高価なみりんを使い上質なつゆを提供した店もあった。

今はほとんどの日本そば屋のもり蕎麦とざる蕎麦の差は無く、海苔が有るか無いかだけだ。

まとめ

もり蕎麦とせいろ蕎麦の違い

もり蕎麦もせいろ蕎麦も蒸籠(せいろ)の上に乗っている。

乾麺や出来合いの蕎麦を茹でて出す店はもり蕎麦、店で蕎麦粉から仕上げて出す店はせいろ蕎麦、と言う場合が多い。

もり蕎麦とざる蕎麦の違い

現在のもり蕎麦とざる蕎麦の違いは無く、蕎麦もつゆも同じものを使い海苔が乗っているか否かの違い。

昔は上質な蕎麦粉や上等のつゆで差をつけたそば屋もあった。