Contents

メスしか産まれないアブラムシの単位生殖

子持ちのメスしか産まれない

突然群れで現われる

冬の寒い時期はまったく姿を現さない。

春になって暖かくなると突然出現する。

それも見つけたと思った時には大勢の小型の虫に覆われる。

なんで突然現れて一気に繁殖するのか?

今年ももうすぐ春がやってくる。

3月に出現アブラムシ

3月、暖かくなると卵から産まれるアブラムシ。

と言ってもゴキブリのことではない。

大きさ1~4mmと小さな昆虫。

皆に知られているこの小型昆虫は変わった生態をしている。

孵化したアブラムシはメス

卵から産まれてくるアブラムシは全てメス。

春に産まれてくる子供にオスはいない。

そして成虫になると子供を産む。

繁殖、オスのいらない単為生殖

メスはオスと交尾することなく単為生殖をする。

アブラムシのメスにとってオスは必要ない。

交尾をしなくても繁殖できる。

卵を産まず子供を産む卵胎生

この季節アブラムシは卵胎生。

卵胎生とは卵を産まずに子供を産む。

動物の胎生と違うのは体内でヘソの尾で繋がっていない。

栄養を親から直接貰わない。

体内で卵が孵化しても卵の栄養だけで育つ。

母親の体内で卵が孵化して少し大きくなってから体外に出る。

体内に長い時間いる分、安全で出産後の育ちが早い。

アブラムシは子を宿したメスを出産

アブラムシの母親は体内で卵を孵化させる。

体内で孵化した子供もメス。

そして産まれてくる子供は既に赤ん坊を宿している。

植物の樹液を吸う

出産して産まれた子供は直ぐに植物の樹液を吸う。

アブラムシはカメムシの仲間。

口はセミのように針状で茎に穴を開け植物の栄養を吸って育つ。

出産後10日で子を産む

10日後には大人に成長し、同じように赤ん坊を宿してるメスのアブラムシを産む。

種類と環境によって1日1~10匹の子供を産む。

寿命は30~40日。

1匹のアブラムシが40日で1173匹

例えば寿命40日の1匹のアブラムシが1日1匹の子供を産む計算をすると1173匹に増える。

もし、この1173匹が増えれば、単純計算でさらに40日後1,375,929匹になる。

これがアブラムシがいなかった植物に気がつけば群れで樹液を吸っている理由。

秋にだけ産むオスと卵

アブラムシの夏休み

春から初夏に向けて繁殖は続く。

真夏、植物の養分が少なくなりアブラムシの繁殖も休息。

小型化したり仮眠をとる。

秋にはオスが産まれる

晩夏~秋に再び活動が活発になる。

この季節に卵を産める卵性メスが産まれる。

そしてオスも産まれる。

冬の寒さは卵で越冬

晩秋、陽が短くなり気温が下がるため卵性メスとオスが交尾をし卵を産む。

冬、気温が下がり関東を含む寒い地方のアブラムシの成虫は卵を残して1匹残らず死滅する。

卵は寒さに耐えることが出来る。

南方地区の暖かい地域では真冬も成虫で越冬する種類もいる。

そして春が来て気温が上がり始める3月、またメスだけのアブラムシの世界が誕生する。

アブラムシのアマゾネスワールド

日本にいるアブラムシは600種類以上、種類によっては違う生活史もある。

嫌われ者のアブラムシには知らなかった特別な世界がある。

春から夏にオスのいないアブラムシのアマゾネスワールド。

寒い冬を越冬するために秋にオスを産み、卵を産む。

観葉植物や野菜に被害を出すアブラムシの変わった生態。

アブラムシの天敵についてはコチラ ⇒ クリック