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繁殖力強く素手で触るとかぶれるナガミヒナゲシ

ナガミヒナゲシの茎から出る白い乳液で皮膚がかぶれる

オレンジ色のナガミヒナゲシ

ナガミヒナゲシ

道端や空き地、河原などに最近目立って増えている花がある。

ヒナゲシに似たオレンジ色の小さな花を。

花弁は4枚。

名前をナガミヒナゲシという。

摘み取ると乳液でかぶれる

ナガミヒナゲシ

可愛らしい花だと思って素手で摘み取ったりしてはいけない。

この花は茎を切ると白い液体が出てくる。

この白い乳液には毒があり、皮膚に触れると炎症を起こしてかぶれる。

乳液にはアルカロイド系の毒が含まれる。

繁殖力が強い長実雛芥子

ナガミヒナゲシ

ナガミヒナゲシは非常に繁殖力が強い。

花が終わった後にできる細長い芥子坊主には多くの種子ができる。

この細長い芥子坊主がこの花の由来。

ナガミヒナゲシを漢字で書くと「長実雛芥子」。

一株10万~20万個の種子

ナガミヒナゲシ
ナガミヒナゲシの種子を作る芥子坊主

2cmほどの芥子坊主には小さな種子が1000~2000粒も入っている。

芥子坊主が風に吹かれて揺れるとこの種子が地面に広がる。

またある種子は風に飛ばされ新しい土地へ進出していく。

一株に多い時は100個の芥子坊主ができる。

10万~20万個の種子が子孫繁栄のためにばら蒔かれる。

4年前の種でも成長可能

ナガミヒナゲシ

日が当たる土のある場所なら何処でも繁殖可能。

アスファルトの隙間のわずかな土があれば成長する。

そして花を咲かせ芥子坊主を作り沢山の種をばら蒔き、繁殖を繰り返す。

土に触れなかいと種は芽を出さないが4年経過した種でも土に蒔くと発芽して成長する。

ナガミヒナゲシは外来種

ナガミヒナゲシ

もともとナガミヒナゲシは日本の在来種ではない。

ヨーロッパの地中海沿岸が原産で輸入品や人間の衣類などに種子が付着して持ち込まれた可能性が高い。

現在、日本の多くの場所で繁殖している。

だが特定外来生物には指定されていない。

埼玉県ではナガミヒナゲシを「埼玉県レッドデータブック2011植物編」に今後注目すべき外来植物として報告している。

可愛い花で見た目は良いけど皮膚がかぶれるので要注意。

成長を阻害する物質

ナガミヒナゲシ

ナガミヒナゲシは毒があるだけではなく、周囲の植物の成長を阻害する物質を放出する。

アレロパシーとも他感作用とも呼ばれる。

他の植物の成長を押さえ、繁殖を広げる。

ナガミヒナゲシからアヘンは作れない

ナガミヒナゲシ

ナガミヒナゲシはケシ科の植物。

虞美人草と呼ばれるヒナゲシは綺麗な赤い花、それに比べるとナガミヒナゲシはオレンジの花でやや小さめ。

同じポピーの仲間。

ケシの花のようなアヘンの原料はナガミヒナゲシにはない。

ナガミヒナゲシの駆除

かぶれないようにゴム手袋は必着

ナガミヒナゲシ

ナガミヒナゲシを除草する時に素手はNG。

切れた茎の部分から出てくる乳液が皮膚に触れないようにしなければいけない。

ゴム手袋を装着して手首も覆う。

そしてナガミヒナゲシを根元から引き抜く。

鎌などで切るのは控える。

芥子坊主が付いていたら

ナガミヒナゲシ

もし、種子の入った芥子坊主が付いているようなら最初にビニール袋で覆ってから引き抜く。

ビニール袋に入れた芥子坊主を軽く降っただけで多くの種子が出てくる。

この種子を地面に撒いてはいけない。

できるだけ種子をばら蒔かないように気をつける。

沸騰したお湯をかける

沸騰した湯を十分な量を準備できるならかなり効果的。

ナガミヒナゲシに沸騰した湯をたっぷりかけると枯らすことができる。

芥子坊主は容器に入れ、沸騰した湯で満たし、煮る状態を作る。

他の雑草も沸騰した湯は効果的。