Contents

浸漬(しんし)性肺水腫の予防

コロナ感染予防の確認

今年初めてのダイビング指導団体PADIトレーニングセミナー『ダイビング事故撲滅に向けて』が開かれた。

例年ならPADIのオフィスや何処かホテルの会場を借りて開催されるのだがコロナ禍のためウエビナーを利用してのオンラインセミナー。

コロナ感染を予防してのオンラインによるセミナーは昨年5月より実施。

最初の課題は昨年からのコロナ感染予防の復習。

呼吸による感染対策

飛沫感染を予防。

陸上では

  • ソーシャルディスタンスをとったコミニケーション。
  • 頻繁な手洗いと消毒。
  • 不織布マスクなどを装着。

水面では

  • スノーケルの使用を軽減し、レギュレターの使用によりリスクを軽減。
  • スノーケルの排気に考慮。
  • 他のダイバーとの位置と距離。

接触感染対策

水中でも感染予防

  • ダイビング前後に手洗いと消毒。
  • 器材チェックは他人の器材に触れない、
  • スキル練習時も他人の器材に触れない。
  • 緊急事はその限りではない。生命を優先して対応。
  • できるだけ接触を避け、アルコールなどで消毒。

レスキューコースでは

レスキューコースでは相手をサポートするコースであり、コロナ感染リスクが高くなる。

各自でポケットマスクを用意し、プロテクションとして使う。

装着は各自で行う。

緊急時の備え

STAFF各自がポケットマスクを準備し、ファーストエイドキットと酸素吸入器を直ぐに使用できるように用意。

緊急事態の対処は感染リスクを伴うことについて承知しておく。

8つのコロナ対策

ダイバーにできる新型コロナウイルス対策
ダイバーにできる新型コロナウイルス対策

2020年のダイビング事故

浸漬(しんし)性肺水腫の疑い

2020年のダイビング事故件数はコロナ禍の影響で活動していない期間があり昨年よりも少ない。

緊急事態宣言後には多発するようになった。

講習中21%、ファンダイビング中68%、その他11%。

年齢、40歳以上が79%、中心となる50歳は47%、中高年が圧倒的に多い。

浸漬性肺水腫の疑いは42%。

浸漬性肺水腫

浸漬性肺水腫から溺水になる可能性がある。

浸漬性肺水腫は障害ではなく疾病。

心肺に疾患がある、また高血圧の人が水に浸かり発症する可能性が高い。

深度下では酸素分圧があがり一旦症状が収まる、けれど潜水終盤浮上中に酸素分圧が下がると突然苦しみだし、水面近くで意識を失い溺れる。

浸漬性肺水腫がおきても通常一晩寝ればもとにもどる。

ダイビングでの浸漬性肺水腫の対応策

「体調が悪い」新ハンドシグナルを導入。

具合が悪いシグナル
具合が悪いシグナル

毎回ブリーフィングに組み入れる。

サインの意味と使い方を説明。

「体調が悪いシグナル」を確認したら

残圧を確認、ゼロでないのに苦しいのは浸漬性肺水腫かも。

浮上と共に意識喪失に備える。

水面で呼吸停止の場合は即人工呼吸。

酸素吸入が重要。

浸漬性肺水腫の対応は3つ

事前の予防

事前に予防するには、ダイバーメディカル(3枚)で確認。

1枚目で問題が無ければそれで終了。

ダイバーメディカル参加者チェックシート
ダイバーメディカル参加者チェックシート1枚目

2枚目で問題が無ければ終了。

ダイバーメディカル参加者チェックシート2枚目

必要により3枚目の医師の評価シートが必要。

ダイバーメディカル参加者チェックシート3枚目
ダイバーメディカル参加者チェックシート3枚目

直前の予防

体調チェック10項目。

ダイビング前の体調チェック10項目

各自で読むのではなく、口頭で確認。

発生時の対応

新シグナルの確認と心構え、準備。

1本目に問題なくとも2本目、3本目に発症するリスクがある。

最大の予防は異常がればダイビングを延期。

2021年PADIからの強化策

ウエビナーによるセミナー開催

PROメンバー向け年4回実施予定。

一般ダイバー向け年4回実施予定(新プログラム)。

重要強化策

体調不良の時は躊躇なくダイビングを中止。

ダイバーから目を離さない。

呼吸停止ダイバーには即人工呼吸の実施。