船の真空吸引式トイレ

東海汽船橘丸もバキュームトイレ

用を済まして驚いたのは八丈島へ行く船の個室。

グレーのボタンを押すと子供たちはシュパーッ!という音と共に吸い込まれていった。

水洗トイレだと思っていたら、そうではない真空吸引式トイレ。

飛行機と同じ、あっいうまに穴に吸い込まれていく。

周囲に立ち込めた臭いも一緒に吸い込まれ残存臭もない。

なぜ真空吸引式トイレ?

ここは海なのに?

飛行機のように水が沢山使えないのなら解かる。

けれど船の周囲は海、豊富に水を使える。

先端技術のトイレを装備していることを自慢したいのか?

経費を余計にかければ乗船代にも影響が?

どうやらそうではないらしい。

最近では新型の大型客船や長距離鉄道では真空吸引式トイレを進んで取り入れている。

船でも真空吸引式トイレにするメリット

船には船の事情があった。

  1. 洋式のトイレは詰まり易いため海水の使用は難しく、真水を使用している。
  2. 船内では真水は貴重、節水はあたりまえ。
  3. 水洗トイレの排水の水量は大で普通6~10リットル、真空吸引式トイレの排水は0.5リットル以下。
  4. 個室の残存臭も除去。
  5. 大型船の汚水は衛生処理してから排水しなくてはならない。(ただし陸から12海里※約22km離れればそのまま排水しても良いことになっている。)
  6. 排水のための処理タンクも小さくて済む。

以上の理由で東海汽船の八丈島行き橘丸も真空吸引式トイレを採用。

今、東海汽船で作っている新造船のトイレも真空吸引式トイレなのだろう。

飛行機は真空吸引式トイレ

空中へ垂れ流し

昔は垂れ流しをしていた。

超高度から放たれた黄色い固まりは途中で空中分解と摩擦で粉々になり、地上へ辿り着くころは噴霧状態。

気がつく人はいない。

飛行機時代の初期にはあった事実。

汚物専用タンクへ

現在はさすがにそのようなことはない。

汚物は専用タンクに溜められる。

着陸後、駐機場で専門業者が処理をしている

真空吸引式トイレ

飛行機は重い水を沢山積み込むことができない。

水は出来るだけ少なくし機体を軽くして飛びたい。

そして考え出されたのが周囲圧を利用した真空吸引式トイレ。

真空吸引式トイレで使用する1回の排水量は0.5リットル以下。

真空吸引式トイレの仕組み

飛行機のトイレはなぜシュパーッ!っと吸い込まれるのか。

それは飛行機の外の圧力と機内の圧力差を利用しているため。

高度11,000mを飛ぶ大型旅客機の周囲圧は約0.2気圧しかない。

機内の圧力は酸素が薄くなりすぎないように与圧システムで0.8気圧に維持されている。

トイレの排出ボタンを押すとわずかな水が流れ、外への圧力弁が開き汚物は一気に吸い込まれ、処理タンクに運ばれる。

0.8気圧から0.2気圧へ瞬時に流れていく。

このとき個室の残存臭も一緒に吸い込まれ、温度も下がる。

空気は外へ、汚物だけ処理タンクに留まる。

陸上では?

飛行機が飛び立つ前、周囲圧と差のない陸上ではバキュームブロアという大型掃除機のような機械を使って汚物を吸引している。

東海汽船の橘丸はこれと同じような機械が取りつけられている。

但し、大型の固形物などを流し、詰まってしまうとやばい。

全体的にバキュームシステムが使用出来なくなる。

飛行機でも船でも何時間もトイレが使用できなくなることを想像すると恐ろしい。