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ナマコ料理
マナマコ
とても奇妙な生き物だ。
北は北海道、南は九州・沖縄まで生息する。
最初にマナマコを食べた人は誰なのか?
とても勇気がある?
食べ物が無くてどうしようもなかった?
たんに興味本位から食べた?
いずれにしても一番最初に食べた人は偉いと思う。
もともと実家では食べる習慣がなく、魚屋の店先に並んでいても買うこともなかった。
素人目にはどうにもグロテスクで口の中に入れる度胸がない。
ナマコのクリーム煮
初めて食べたのは十代後半。
中華飯店で食べたナマコのクリーム煮の味は覚えている。
真っ白なクリームの中に黒っぽいナマコの切り身が浮いている。
口の中へ入れるとトロ~ンとしたゼラチン質なナマコが喉を通った。
想像したものと全然違った。
ナマコの酢の物
生のナマコ、ナマコの酢の物を食べたのはそれから20年ほど経ってからだ。
柔らかいようで噛むとコリコリと硬い。
味や匂いはあまりないが僅かな苦みがある。
ごはんのおかずという感じではない。
珍味として日本酒を飲みながらのつまみにはいける。
他のナマコ料理
日本ではナマコを酢の物で食べることがほとんど、他にもナマコ飯し、焼きナマコ、煮ナマコも魚と同様に作れる。
ナマコ本来の味はあまりしないが食感はコリコリと貝のような感じになる。
食べるナマコはマナマコ
赤ナマコ、青ナマコ、黒ナマコ
ナマコは漢字で書くと海鼠(海のネズミ)
英語ではsea cucumber(海のキュウリ)
どちらも見た目で名前がつけられいる。
日本で食べられているナマコのほとんどはマナマコ(真海鼠)、外見的に赤いのをアカナマコ、青いのをアオナマコ、黒いのをクロナマコと呼んでいる。
最近DNA検査で「アカナマコ」をApostichopus japonicus,「アオナマコ」と「クロナマコ」をApostichopus armataとして区別という話題もあったが所説いろいろ有り、学会全体で決定するまでには時間がかかりそうなのでマナマコと考えることにする。
一般に言われていることは外海の岩礁域に生息するのがアカナマコ、内湾の砂泥地に生息するのがアオナマコとクロナマコで食べているエサが変わってくる。
アカナマコの方がアオナマコやクロナマコより味が良いとされ、値段が高い。
時期と場所、大きさで変わるが1匹200~500円ほど。
中華のナマコ
中華料理で人気のあるナマコはクロナマコの乾燥したものだ。
クロナマコは北海道で多く獲れる。
獲ったクロナマコを洗い、内臓を取り去り、湯で煮たものを1か月以上かけて寒空の下でほしたものが乾燥ナマコ(ほしこ)だ。
食べるときには7日間煮冷ましを繰り返してから料理する。
乾燥ナマコは高額で100gで12000円以上もする。
最近、密猟が多く騒がれている
エサと繁殖
マナマコは水底にあるものを砂ごと口の中に入れ、そこにある栄養になるものを消化し、体に取り入れている。
それは海藻の破片、藻、貝、生物の死骸残骸、排泄物、沈殿物など様々な有機デトリタスで栄養になればなんでも取り入れるという考え。
雌雄別体、放精放卵で繁殖する。
時期は場所によってことなるが3月下旬から8月下旬、体を立ち上げて頭を左右にするようにし、頭の後ろにある生殖穴から放精放卵する。
夏休み
水温の低い冬に活発に行動する。
水温が上がる夏には岩の下などでエサも食べす動かずに夏眠する。
マナマコ以外のナマコ
マナマコ以外で食用にされるものはキンコ、オキナマコ、ハネジナマコ、バイカナマコなどがある。
ニセクロナマコ
毒がある
クロナマコと同じように真っ黒なナマコ。

けれど肉には毒があり食べてはいけない。
刺激を与えると表面から紫色の毒素を出す。
食べた人の話によると噛むと泡立ち、マヒ、シビレたので直ぐに吐き出したと。
見分けのポイントは
関東から熱帯にかけて生息している。
水底に生息しているときニセクロナマコの表面には何もないがクロナマコの表面には砂などが覆う。

ニセクロナマコをつかむと肛門からネバネバとした白い糸状のキュビエ器官を出す。また表面をさすると紫色の毒素を出すものがいる。
クロナマコは糸状のキュビエ器官を出さない。
以上3つの違いがある。