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世界最大の海藻ジャイアントケルプ(オオウキモ Macrocystis pyrifera)は1日50cm伸びる

日本最大の海藻はコンブ

皆の知ってる海藻

海で育つ植物、海藻。

陸上の植物と同じで太陽の光を受けて光合成をしている。

海藻と言えばワカメ、コンブ、アサクサノリ、アオノリ、テングサなどが知られている。

日本で一番大きな海藻

日本で一番大きな海藻はコンブ。

長昆布という種類が最大で幅18cm、長さ20m。

1枚の布を長く伸ばしたイッタンモメンのような形。

ワカメのように葉の外縁がグジャグジャ伸びない。

寒い地方でしか生育しない。

東北や北海道の20mより浅い海岸近くで育つ。

美味しいコンブ

コンブは食用として昔から利用されている。

出汁、おでん、煮昆布、佃煮、昆布巻きなど美味しい料理の大事な材料。

コンブの穫れない沖縄が日本で一番コンブを消費している。

世界最大の海藻ジャイアントケルプ

ジャイアントケルプ(マクロシスティス

世界で一番大きな海藻はジャイアントケルプ

学名は Macrocystis pyrifera 、属名をマクロシスティスという。

大きさは50mになる。

残念ながら日本にはない。

日本にないのにオオウキモの名

以前、日本名は無かった。

日本にない海藻、食用にもされない、誰も知らないジャイアントケルプに日本名が無いのは当たり前。

現在はオオウキモという日本名がついている。

誰が名前をつけたのか?

これは日本の水族館でジャイアントケルプが展示されるようになってから日本名オオウキモとつけた。

ジャイアントケルプの自生場所

ジャイアントケルプが自生している場所は北アメリカの太平洋側アラスカ~カリフォルニア半島がよく知られている。

でも他にもある、南アメリカ太平洋側南部、オーストラリア南部、アフリカ南部の水温が低い場所。

海水温が22℃以上になる海でジャイアントケルプは育たない。

ジャイアントケルプの英語名は巨大な海藻という意味、巨大なコンブではない。

ジャイアントケルプの形状

ジャイアントケルプは海底の岩盤に根で張り着き、つるのような茎、葉状部分といくつもの浮袋を持つ。

この浮袋を気胞と呼ぶ。

日本最大のコンブやワカメに気胞はない。

ホンダワラの仲間は体を水面へ持ち上げるために気胞を持つ。

ヒジキやギバサで知られるアカモクもいくつもの気胞を持っている。

ジャイアントケルプはコンブのような1枚の布状ではなく、ホンダワラに形状が似ている。

水底の根から茎が伸び水面へと向かう。

ところどころ茎から葉が延びる、また葉の付根部分に気胞がある。

気胞はその浮力によりジャイアントケルプを水面へ立たせ、余った部分は水面で横になり浮いて光合成をする。

ラッコが海藻をお腹にからめて寝ているのはこの部分。

一日に50cm伸びる海藻としても有名。

ジャイアントケルプの海中林

長さ50mにもなるジャイアントケルプが多く茂る水中は、林のようにな景色を作り出す。

海中林と呼ぶ。

アザラシやラッコなどの大事な生活場所。

ジャイアントケルプの林は魚類や貝類などの軟体動物、ウニなどの棘皮動物のエサになる。

また隠れ場所、産卵場、稚魚の発育場所、休息場所になり、豊富な酸素を放出する。

地球にとって重要な生物環境をつくる役をかっている。

ジャイアントケルプは食用にはされないが多くのアルギン酸があり、サプリメントや肥料のため乱獲されている。