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桜桃梅を枯らす外来生物クビアカツヤカミキリ

桜が枯れる?

花見ができなくなる

もしかして桜の木が無くなるかも?

花見で有名なソメイヨシノ、さくらんぼうの桜、食用のさくら葉用の木なども無くなる。

花見が出来なくなる。

さくらんぼうが食べられなくなる。

桜餅の葉が無くなる。

桃も、梅も、すももが食べられなくなる。

原因は気候変化ではない。

食い荒らす

もともと日本にいない生物が桜の木を住処として、またエサとして食い荒らし始めている。

現在奴に天敵はいない。

増えることに歯止めがきかない。

その繁殖がだんだん広まりつつある。

今ならまだ被害を最小限に繁殖を抑えることが出来るかもしれない。

それは大人でも子供でも可能。

虫網で捕獲するという方法。

話題の犯人はカブトムシ、クガタムに続く人気者の昆虫であるカミキリムシの一種。

クビアカツヤカミキリ

首の赤いカミキリムシ

名前はクビアカツヤカミキリ。

本体は黒くツヤがあり、首の回りに赤いマフラーをつけているようなカミキリムシ。

大きさは2.5~4cmほど。

特定外来生物

もともと日本にはいない、特定外来生物(2018年1月指定)

中国、台湾、朝鮮半島、モンゴル、ロシア極東部、ベトナム北部など東アジアに生息。

材木のパレットと一緒に日本へ入ってきた。

日本在来種のカミキリムシはクヌギ、ブナ、クリの木を食べるが桜や桃などの木をエサとはしない。

桜の木が大好物

ところがクビアカツヤカミキリは桜の木が大好物。

他に桃や梅、スモモの木を食い荒らす。

クビアカツヤカミキリが食入した樹木には、フラスと呼ばれる木くずとフンが穴から排出される。

6~8月頃成虫になり交尾の後に桜の木の隙間に約300個の卵を産む。

9日ほどで孵化した芋虫状の幼虫は寄生した樹木の幹を食べ続け2~3年で成虫に育つ。

一度寄生された樹木は食害され続け弱り、最悪枯れてしまう。

これが日本の桜、桃、梅の木に広まりつつある。

クビアカツヤカミキリによる被害

確認された7都道府県

既にクビアカツヤカミキリが寄生している桜を確認した県は徳島県、大阪府、愛知県、東京都、群馬県、埼玉県、栃木県の7県。

愛知県

日本で初めてクビアカツヤカミキリが見つかったのは2012年愛知県、海部郡の神社。

徳島県

徳島県では2015年に小学校などを含め、9カ所で43本の桜に被害を確認、桃農園では16カ所で130本、梅は3カ所で7本の被害を確認。

2016年には31カ所の桃農園で256本の桃に被害を確認、被害の大きな桃農園では29本のうち28本が被害にあい、18本が枯死。

2017年69カ所の桃農園で、桃425本の被害を確認。

大阪府

大阪府では2018年1月までに大阪狭山市、堺市、富田林市、羽曳野市、河内長野市、河南町の桜で発見、6月には大坂市内の公園の桜でも確認。

埼玉県

埼玉県では2013年に草加市で最初の被害を確認。

桜の名所・葛西用水で成虫が見つかり、これまでに約150本の被害を確認、20本を伐採。

八潮市では2014年に最初の被害を確認、これまでに桜120本の被害を確認、50本を伐採。

2017年に深谷市、熊谷市(成虫確認のみ)、行田市、加須市、羽生市、越谷市の6市で桜35本の被害を確認。

群馬県

群馬県の館林市では2015年7月に館林高校の桜並木は28本すべてが侵食、既に4本が枯死。

この3年間で100地点199本を確認、40本の桜を伐採。

2017年には館林、板倉、明和、千代田、大泉、邑楽の6市町182所で677本の被害を確認。

栃木県

栃木県では2016年に足利市の渡良瀬川河川敷で見つかった。

2017年には佐野市と足利市の19の桃農園で桃とスモモの木113本の被害を確認。

東京都

東京でも2015年福生市の桜でクビアカツヤカミキリが見つかった。

2016年福生市、あきる野市で確認。

2017年あきる野市で桜60本の被害を確認。

2018年7月多摩地域の梅農園で被害を確認。

クビアカツヤカミキリの退治法

成虫の場合 

成虫は捕まえて殺処分。

踏み潰す、家庭用の中性洗剤を薄めた水溶液の入った瓶に入れて殺処分する。

昆虫標本ようの薬を注入するなど。

プラスチックで出来た虫かごや水槽などは網目の部分を噛み切って逃げてしまうので使用不可。

幼虫の場合

樹木の穴からフラスが発生し、カミキリが侵入したと思われる穴を見つけたら中のフラスを針金で取り除き薬剤を注入して殺虫。

その後、寄生された樹木は成虫が生き残り樹木から出てくることを考え、他の樹木に拡散しないように、網を巻くなどの対策を講じる。

埼玉県の被害防止手引き ↑ クリック

その他には

バイオリサ・カミキリ(生物農薬)

これに触れるとカミキリは菌に感染して2~3週間で死滅。

退治するにはカミキリが直接バイオリサ・カミキリに触れる必要がある。

オスのフェロモン(臭いで集める)

研究にまだ時間が必要。

ネオニコチノイド系農薬(浸透移行性殺虫剤)

樹木に農薬を浸透させ虫を殺虫する。

しかし殺虫効果が高く、ミツバチや他の昆虫をも殺虫し減少する恐れがある。

現時点での最良の方法

結局現時点での最良の方法は被害のあった樹木と周囲の樹木を伐採し焼却することになる。

夏休み子供を連れて桜並木に昆虫採集をして、もし赤いマフラーの黒いカミキリを見つけたら想い出して欲しい。

ひとり1匹捕まえて駆除する。

100人なら100匹、1000人なら1000匹の駆除に繋がる。

違法行為

特定外来生物のクビアカツヤカミキリの飼育、譲渡、放虫、販売は違法。

もしクビアカツヤカミキリを捕獲したら虫かごに入れて飼ってはいけない。

また、その場から移動させてもいけない。

もう一度自然に話すなどはご法度。

違反すると個人の場合は最大300万円の罰金または3年以下の懲役、法人の場合は最大1臆円の罰金。

環境省からクビアカツヤカミキリについて ↑ クリック

見つけたら連絡を

もしクビアカツヤカミキリを見つけた場合は各地の市、区、町の環境課へご連絡を。

お願いとお問い合わせ

クビアカツヤカミキリの成虫や樹体から排出されたフラスを発見した場合は、それらの写真を撮って、市町村の環境関連部局または環境科学国際センター(下記の連絡先)までお
知らせください。

また、この手引とクビアカツヤカミキリに関するお問い合わせは、環境科学国際センターまでお願いします。

<連絡先> 埼玉県環境科学国際センター 自然環境担当

〒347-0115 埼玉県加須市上種足914

TEL: 0480-73-8331(代表) FAX: 0480-70-2031

E-mail: g738331@pref.saitama.lg.jp

情報発信

1)クビアカツヤカミキリに関する情報を、以下のURLから発信します。

http://www.pref.saitama.lg.jp/cess/center/kubiaka.html

2)クビアカツヤカミキリの生態と防除について、出前講座を実施しています。詳しくは、以下のURLから、「出前講座」のタグを選択し、出前講座テーマ一覧から「自然環境」分野のテーマをご覧ください。

https://www.pref.saitama.lg.jp/cess/shiryo/index.htm

解らない場合は下記を参考

関東地方環境事務所 048-600-0817

中部地方環境事務所 052-955-2139

近畿地方環境事務所 06-4792-0706

中国四国地方環境事務所 086-223-1561

環境省外来生物対策室 03-3581-3351

埼玉県環境科学国際センター・みどり自然課・野生生物担当 048-830-3143