充填豆腐、絹豆腐、木綿豆腐、ゆし豆腐、島豆腐の違い
豆腐の作り方
2パック100円の豆腐
何も気にせず買っている絹豆腐やもめん豆腐。
最近は豆腐専門店で買うことが少ない。
ほとんど買うのはスーパーマーケット。
それも2パックや3パックで100円ほど。
豆腐専門店で1丁250~400円近くするのに比べれば安い
また、小分けになっているので使いやすい。
さらに賞味期限が7日間ほどと長い。
安くて賞味期限が長いということは害のある添加物でも入ってもいるのだろうか。
実際はそのようなものは添加されていない。
基本的な豆腐の作り方
豆腐の基本的な作り方は大豆を煮て絞り、豆乳を作る。
熱い豆乳を固めるため凝固剤のニガリを加える。
撹拌して寝かせ凝固させる。
凝固した状態のものを加工することで色々な豆腐がうまれる。
ニガリとは
ニガリとは海水から塩を作った時に残る液体。
舐めると苦いのでニガリと呼ばれる。
ニガリの成分は塩化マグネシウムが主で塩化カリウムや塩化カルシムなどが含まれる。
凝固剤のニガリは天然ニガリと人工的に作られたニガリがある。
充填豆腐、絹豆腐、木綿豆腐の違い
安くて便利な充填豆腐
スーパーマーケットやコンビニでパッケージになって販売されている豆腐は豆腐専門店の豆腐と区別して扱う。
充填豆腐と呼ばれる。
充填豆腐は冷えた豆乳にニガリを加え容器に充填し、密封をする。
容器ごと熱を加え凝固作用を促す。
この時、殺菌消毒も兼ねる。
容器は密封のため雑菌が入らず、通常よりも保存期間が長い。
工法が缶詰めに似ている。
器械化されたオートメーション加工に向き、大量生産が可能、コストダウンできる。
このような理由で充填豆腐は賞味期間が長く、値段も安くなる。
いつも作る簡単たぬき豆腐も充填豆腐で作る。
豆腐専門店の絹ごし豆腐
豆腐専門店では熱い豆乳にニガリを加え撹拌したあと寝かせる。
固まり始めたら長方形の箱型に入れ形を安定。
最後に冷水の中に入れて箱形を外し、豆腐の芯まで冷やす。
冷えたら絹ごし豆腐の出来上がり、水の中で切って水と一緒に容器に入れる。
豆腐専門店の木綿豆腐
熱い豆乳にニガリを加え撹拌し、寝かせるまでは同じ。
固まり始めたら箱形に入れる。
この箱形が木綿豆腐は少し違う。
箱形の3方向に穴が開いている。
箱形の内側に木綿を入れ袋状にする。。
固まり始めた豆腐を入れたら木綿で上まで覆い蓋をする。
蓋に重石を乗せ余分な水をしぼり出す。
豆腐が完全に固まったら冷水中で木綿と箱形を外し芯まで冷やす。
芯まで冷えたら木綿豆腐の出来上がり。
水の中で切って水と一緒に容器に入れる。
木綿豆腐の模様
製造の過程で表面に木綿の跡が残る。
水分が少ないため絹ごし豆腐よりやや硬い。
絹ごし豆腐も木綿豆腐も冷水で冷やすことで数日の賞味期間はあるものの充填豆腐ほど賞味期間を長くできない。
充填豆腐よりも豆腐専門店の絹ごし豆腐や木綿豆腐の方が風味がある。
沖縄でしか食べられない熱々のゆし豆腐と島豆腐
沖縄のゆし豆腐
大豆を一晩水に浸け、多く水を含んだ大豆を挽いた後に濾し、冷えた豆乳を作る。
約1時間豆乳を煮てからニガリと塩を加えて撹拌、十数分寝かせ凝固を促す。
凝固した熱々がゆし豆腐。
袋に入れて販売。
2時間ぐらいは温かい。
味のある温かいおぼろ豆腐のような感じ。
沖縄ゆし豆腐のこだわり
本州の豆腐は水を含んだ大豆を煮てから大豆を挽いて豆乳を作る。
ゆし豆腐の場合、冷えた状態で大豆を挽くので大豆が多く必要で効率は悪いが風味が濃厚。
また、沖縄伝統のゆし豆腐は海水で凝固作用を促していた。※現在は禁止。
その名残りでニガリだけでなく塩を入れ、味のあるゆし豆腐を作る。
本州では出来た豆腐は芯まで冷やす決まりがある。
ゆえに本州ではゆし豆腐を作って販売することが出来ない。
暖かい出来立てのゆし豆腐を食べれるのは沖縄だけの特権。
ゆし豆腐は伝統文化であるので沖縄だけは冷やさなくても熱々のまま販売することが許可されている。
アチコーコーゆし豆腐。
島豆腐
島豆腐はゆし豆腐の進化形。
木綿豆腐の作り方に似ている。
箱型に木綿を敷き出来立てのゆし豆腐を入れ蓋をする。
重石を置いて水分を抜く。
木綿豆腐よりも硬い島豆腐ができる。
通常の豆腐よりも硬いのでチャンプルなどの炒め物も作りやすい。
熱々出来立ての島豆腐も沖縄へ行かないと食べられない。
充填豆腐と絹ごし豆腐・木綿豆腐とゆし豆腐・島豆腐の違い
充填豆腐は冷えた豆乳にニガリを加え容器に注入密閉してから熱を加え凝固させて冷やして販売。賞味期限が長く、安い。
絹ごし豆腐と木綿豆腐は大豆を煮てから挽いてしぼり、熱い豆乳を造りニガリを加えて凝固させ型に入れる。成型出来たら芯まで冷水で冷やして販売。
ゆし豆腐と島豆腐は冷えた豆乳を作り、煮てからニガリと塩を加え凝固させる。熱いうちに販売。