宮古島のユナイタマの伝説と通り池
先島諸島の宮古島の通り池
宮古島の通り池
八重山諸島の宮古島の西側にある伊良部島。
その伊良部島の近くにくっつくように空港のある下地島がある。
この下地島には通り池という珍しい池がある。
この通り池は一ノ池と二ノ池の2つ。
この2つの池は洞窟で繋がっており更に海へもつながっている。
ダイビングポイント日本のブルーホール
ダイビングポイントになっている日本のブルーホールのひとつ。
沖縄にはキムジナーの伝説がある。
この通り池にも伝説がある。
その一つがユナイタマの伝説。
通り池のユナイタマ伝説
下地島の漁師
昔々、下地島に木泊という集落があった。
集落に棲む漁師がいつものように早朝漁に出た。
朝日の中、海へ網を投げる。
すると今まで見たこともない魚がかかった。
人間よりも大きな魚は丸々太っていた。
ユナイタマを捕った漁師
「この魚はオジーから話に聞く幻のユナイタマに違いない。」
漁師はとても喜んだ。
漁師なら一生に一度は巡り合いたい幻の魚。
見るだけでも珍しい。
そのユナイタマを捕まえた。
ユナイタマはとても味が良い言われていた。
隣家と一緒にユナイタマを食べる
漁師は一緒に食べようと隣の家にも声をかけた。
家の庭に2つの家族が集まり料理した。
半身は刺身、残りの半身は焼いた。
2家族で夢中になって食べていると子供が泣きだした。
それまでは機嫌よく遊んでいたの隣家の子供が泣きながら母親に言った。
予知の出来る子供
「おかあ!伊良部へ逃げよう!早く伊良部島へ逃げよう。」
子供は母親にすがって泣いた。
その子供はこれまで何度も先に起こることを言い当てる不思議な力を持っていた。
しかし、ユナイタマに夢中になっている家族たちに子供の声は耳に届かない。
食べ終わる頃、海から声がした。
海の底から声がする
「お~い!お~い!何処へ行った~。
お~い!早く帰ってこい!」
深い海の底から響く声だった。
漁師たち家族は何が起こったのかわからない。
みながポカンとしていると。
むしろの上に残ったユナイタマの頭が答えた。
「たすけて!たすけて!
漁師に捕まって食べられた。
このまま帰れない。
たすけて!!」
大津波で全てが流される
それからまもなく大き音とともに大津波が家に打ち寄せた。
更に大津波が2回続き、そこにあった全てのものをさらって行った。
ユナイタマは津波と一緒に海へ戻った。
漁師の家族も家も全て流され集落には何も残っていない。
家があった場所には2つの大きな穴ができた。
これが宮古島に伝わる通り池の伝説。