夜鳴きそばは、夜遅く営業していた屋台ラーメン
夜鳴きそばって何?
夜中の屋台ラーメン
昨晩突然「よなきラーメン」とは何かと聞かれた。
えっ!
今は軽トラックに屋台を積んで夜11時ごろにラーメンを作って売る移動式のラーメン屋。
屋台を乗せた改良トラックにはズンドー(底深の鍋)、プロパンとガス台を設備。
昔はリヤカーに屋台を取り付けたものを人力で引いて、所定の場所へ行って商売をした。
夜7時には閉店
その頃は夜7時になるとほとんどの店は営業時間を終え閉店。
飲み屋意外に夜営業する店は少なかった。
当然コンビニエンスストアーもない。
夜遅く帰ってきたのに食べるものがないので夜鳴きそば。
飲んで最後の締めに夜鳴きそば。
試験勉強腹減るときは夜鳴きそば。
チャルメラと夜鳴きそば
チャルメラ ラッパ
夜11時ごろになるとチャルメラの音が聞こえる。
夜鳴きそば独特の小さなラッパの音。
夜鳴きそばが来るのはいつも同じ場所。
メニューは1種類、ラーメンだけ。
チャルメラが聞こえると
夕飯から時間が経ち小腹が空いた時間にチャルメラの音は集中力を外に向けさせる。
数百円のコインを握りしめ、サンダルを突っ掛け、足早に屋台へ向かい、1杯のそばを頼む。
作り付けの小型のズンドーから湯気がモクモクと上がり、引き出しから麺を出すと湯の中に入れて搔き回す。
事前に準備したスープをどんぶりに入れ、茹であがった麺をいれる。
具には薄いナルトと僅かなシナチク、最後に長ネギを空中切りして出来上がり。
空中切りとは生板を使わず、長ネギを縦に3本切れ目を入れ、ラーメンどんぶりの上でささがきに切る。
日本蕎麦でなく中華そば
夜鳴きそばは、日本そばではない中華そば、ラーメン。
具は少なめ、量もそんなに多くない。
今のような色々種類があるラーメンではない。
東京ラーメンと言えば解り易いだろうか。
普通のラーメン。
今はあまり見ない
街中では夜遅くまで営業している店も多くなり、夜鳴きそばの需要はなくなった。
南京そば~志那そば~中華そば~ラーメンとその時代によって名前も変化。
昔「ハリスの風」というアニメがあった。
その主人公のわんぱく坊主国松の父ちゃんが夜鳴きそば屋。
夕方になると屋台のリヤカーを引いて出かけていた。
そんな白黒のアニメを想い出す。
江戸時代の夜鳴き蕎麦
日本蕎麦
江戸時代の夜鳴き蕎麦はラーメンではない。
当然江戸時代にラーメンは存在しない。
日本蕎麦がその頃の夜鳴きそば。
担ぎ屋台と鈴
肩で担げる移動式の屋台で夜中に日本蕎麦を作り売っていた。
メニューは1種類、かけそばだけ。
客寄せのチャルメラはない、代わりに鈴をぶら下げていた。
夜売り蕎麦~夜鷹蕎麦~夜鳴き蕎麦と江戸時代も名前が変わる。