ウナギが持つ2種類の毒とは
ウナギ捌きに挑戦
旨いウナギが食べたくて
食べると美味しいウナギ。
自分で料理するという機会はあまりない。
過去に2回ほど自分で捌いてかば焼きを作ったことがある。
買うか捕る
一度は子供の頃、築地で購入してきた。
もう一度は10代後半に狩野川で泳いでいる大ウナギを捕まえて持ち帰った時。
料理する人間がいないので自分で捌いて焼いた。
旨かった。
幸いにも何も問題は起こらなかった。
けれどウナギを捌く時には注意する必要がある。
ウナギの2種類の毒
ウナギにも毒がある
ウナギには2種類の毒がある。
一つは血液、目に入ると大変危険。
そしてもう一つはあのヌルヌルの粘液。
血液に毒があるのはウナギだけでなく似た体形をしているアナゴやハモ、ウツボなどにも同様に毒がある。
血液毒(イクチオヘモトキシン)
目に入れてはダメ
この毒はイクチオヘモトキシンという毒。
イクチオは魚、ヘモは血、トキシンは毒と言う意味。
目に入ると激しく痛み、腫れ、結膜炎を起こす。
痛みと腫れは2~3日続く、状況が悪ければ失明の恐れもある。
ゆえにウナギ、アナゴ、ハモ、ウツボなどを捌く際には目に血液が飛び入らぬよう、また血の付いた手で目を擦ってはいけない。
料理をした後には必ずよく手を洗う。
傷には注意
また、この血液が傷口に入っても激痛、炎症、化膿を起こす。
傷のある時は料理をしない。
どうしても料理しなければならない時はゴム手袋で血液の侵入を防ぐ。
口に入れるのも注意
血液を大量に口にしてはいけない。
軽ければ下痢、嘔吐、重ければ発疹、チアノーゼ、麻痺や呼吸困難等の症状がでる。
イクチオヘモトキシンは熱に不安定なタンパク毒で60℃で5分間加熱すれば完全に毒性を失う。
ゆえに焼いたり、蒸したり、茹でるなど熱を加えて調理すれば良い。
ウナギのかば焼きは毒性を消す理に適った食べ方。
一般に刺身料理がウナギにないのはこの血液毒のため。
だが上手に血抜きをしたウナギの刺身を食べさせる店もある。
粘液毒(ムチン)
ウナギの粘液は外敵から身を守るだけでなく皮膚呼吸にも役に立っている。
ヌルヌルとした粘液をとおして皮膚呼吸をする。
水温が10℃以下なら全呼吸の60%を皮膚呼吸で行う。
この粘液にも毒がある。
血液と同じように熱を加えれば毒性はなくなる。
料理中に傷口に入れば化膿し易い。
ウナギ以外にもハモ、アナゴ、ウツボにも粘液に毒があり、ハコフグ、ヌノサラシ、アゴハタ、キハッソク、ルリハタなども粘液毒を出すので知られている。
この粘液はムチンと呼ばれ、糖とタンパク質が結合して出来ている。
人間も粘膜を保護するためにムチンを持つ。
動物性の粘液の総称をムチンと呼ぶ。