シロワニは孵化後、腹の中で兄弟を喰いつくす

ワニではないシロワニ(サンドタイガーシャーク)

ワニというサメ

山陰地方ではワニと言えばサメのこと。

また因幡の白うさぎにもワニを騙そうとするウサギの話が出てくる。

古き日本ではサメのことをワニと呼ぶ。

シロワニ

シロワニという名前のサメがいる。

英語ではサンドタイガーシャーク。

大きさは3mを越し、体重は150kgになる。

その顔は歯を剥き出し、とても怖い。

顔に似合わず性格は大人しい。

サメがサメを喰う

けれど、ネムリブカドチザメなど他のサメを捕食する。

魚やイカなども食べる。

今まで伊豆の神子元島、神津島の銭洲、小笠原で見てきた。

初めてシロワニを見たのは40年程前。

このサメのことを良く知らなかったので相当緊張した。

大きさは私の体よりも大きく、ケンカしたら負ける。

交尾をするサメ

交わる鮫

サメは漢字で鮫と書く。

魚が交わる。

交尾をする魚と言う意味。

実際にサメには雌雄があり、生殖器も存在する。

サメの生殖器

生殖器は肛門の近辺にある。

オスは左右に細長い2本のペニスがあり、メスは縦に割れた穴だけ。

軟骨魚類の親戚であるエイも同じように生殖器がある。

水族館に行く機会があれば是非見ると面白い。

交尾の仕方

交尾の時オスはメスに噛みつき片方のペニスだけを使って交尾をする。

メスは大人しく、オスの好きなようにされる。

射精をしたらオスは泳ぎ去る。

シロワニの恐ろしい定め

胎生と卵胎生

ネコザメナヌカザメのように卵を生むサメもいるがサメのとんどは卵胎生で子供を産む。

卵胎生は人間のような胎生とは違う。

胎生は母体の子宮で胎児とヘソの尾でつながり栄養と酸素を与えて育て、ある程度の大きさになってから子供を出産すること。

卵胎生は母体の腹内で育つが胎児とヘソの尾でつながっていない。

栄養や酸素を送ることもない。

受精をした卵は母体の中で守られ、孵化してある程度育ってから出産する。

通常のサメは数匹から数十匹の子供を産む。

しかしシロワニが産む子供は1匹か2匹。

最初に共食い

実はシロワニは母体にいる時から生存競争が始まっている。

子宮の中で最初に卵から孵化した仔魚は最初に自分の卵黄を喰う。

親からの栄養補給はない。

腹が減ったら隣にいる兄弟を食べる。

また腹が減ったら次の兄弟を食べる。

そして子宮内は最後の自分だけになる。

1年かけて子宮内を食べつくすし、大きさ1mほどになってから生まれる。

多く生まれるよりも、より大きく、より強い1匹となって生まれることを選ぶ。

シロワニの子宮は2つあるので生まれる子供は2匹。

シロワニは孵化後共食いをして育つ。

ゆえに大人になってからも子供の時に食べたサメの味が忘れられない。

シロワニは大人になっても他のサメを食べる。

人間で考えたらとても恐ろしい。