タイドプールの魚たち

昨日の続きの魚

2時間半のミッション

今回の成果はキヌバリとチチブだけではない。

数で言えば相当な数が採捕できるがバケツの水が酸欠になるのを防ぐため途中から同じ種類のものは出来るだけ省き、採捕してない新しい種類だけを狙う。

長いようで2時間半の採捕時間はあっという間に過ぎてい行く。

それでは他の魚達を見てみよう。

キヌカジカ

水槽に入ったキヌカジカ
キヌカジカ

ダイビング中、10mより浅い場所で見かけることがある。

今まであまり採捕できなかったが今年は多く採捕できた。

今までで一番の数だったかもしれない。

ヘビギンポ

水槽に入ったヘビギンポ
ヘビギンポ

ヘビギンポのペア、この子達も今回多く採捕できた。

左側がオス、右側がメス。

江之浦でもエントリーポイントの岩場、水深1m~3mの場所でよく見かける。

深い場所にはいない。

ちょうど初夏の今から夏が産卵期。

オスは体の色を真っ黒に変え、白線2本が目立つ。

メスの色はあまり変わらない。

ベニツケギンポ

水槽に入ったベニツケギンポ
ベニツケギンポ

天ぷらで食べるギンポの仲間。

大きくなると体の表面がシワシワになる。

成長した成魚の味は美味しい。

ダイナンギンポとベニツケギンポは棲んでいる所も体色、体型も良く似ている。

水槽に入ったベニツケギンポの子供
ベニツケギンポの子供

簡単に見分けるポイントは鰓のやや後方上部に赤い小さな線があればベニツケギンポ。

赤い線がなければダイナンギンポ。

今回はこんな小さな赤ちゃんまで採捕。

両方ともよく見ると赤い線が確認できる。

ナベカ

水槽に入ったナベカ
ナベカ

黄色に染めた下半身のナベカ。

穴から上半身を出している。

危険が迫ると巣穴に隠れ、安心すると巣穴から出てエサを捜しまわる。

静かに動かずに見ているとかなりの数のナベカがあちこちの巣穴から出てくる。

顔の表情も何処か可愛い。

タイドプールに来たら必ず見たい魚。

ダイビングで潜るような深い場所にはいない。

波打ち際や潮溜まりなどの浅い場所に棲んでいる。

トビイトギンポ

水槽に入ったトビイトギンポ
トビイトギンポ

大きさは8cmほどの細長い魚体。

ベニツケギンポの子供かと思うが顔が尖って雰囲気が明らかに違う。

名前はトビイトギンポ、大きさは12cmにしかならない。

タイドプールなどの浅い場所に生息する。

ダイビング中にお目にかかったことはない。

タカノハダイ

水槽に入ったタカノハダイの子供
タカノハダイの子供

タカノハダイの子供も採捕。

ここまで小さいタカノハダイをダイビング中に見るのは難しい。

逆に成魚は何匹も見られる。

子供達は外敵に追われ浅い場所にエスケープ。

小さいのに模様は大人と同じ。

オヤビッチャ

水槽に入ったオヤビッチャ
オヤビッチャ

縞模様の魚がオヤビッチャ。

背中が黄色、薄っすらと見える。

南国系の魚。

下側に見える赤い尾ビレはキヌカジカの子供。

カゴカキダイ

水槽に入ったカゴカキダイの子供
カゴカキダイの子供

タイドプールで採捕されたカゴカキダイとしては大き目。

明るすぎて黄色が無くなり、色褪せた感じになっている。

チョウチョウウオにも似るがカゴカキダイは別種。

カゴカキダイは単独の種類。

近似種がいない。

水槽に入ったカゴカキダイの子供
カゴカキダイの子供

熱帯魚のように見えるが温帯性の魚で関東から南側に生息する。

成魚は食用として味も良く水揚げされる。

ダイビングではよく見ることが出来る魚。

真っ黄色の体に黒い線が入るので人目をひく。

無脊椎動物では

イソスジエビ

水槽に入ったイソスジエビ
イソスジエビ

このエビもタイドプールではよく見つかる。

スケルトンの体に黒い線、お腹が黒いのは卵を抱いているメス。

岩陰や海藻の中に隠れ、敵がいないと岩場から砂地とエサを求めて散策する。

水槽に入ったイソスジエビ
イソスジエビ

イソスジエビはタイドプールのような浅い場所限定で生息する小型のエビ。

ダイビング中に見ることはない。

ダイビングする深度ではイソスジエビによく似た赤い線のあるサラサエビをよく見る

このサラサエビは逆にタイドプールには生息しない。

サラサエビ
サラサエビ

キヌハダウミウシ

そして今回初物のオレンジ色したウミウシを見つけた。

全体がすべてオレンジ色。

大きさは4cmほど。

オレンジ色のキヌハダウミウシ
キヌハダウミウシ

名前はキヌハダウミウシ

他のウミウシを捕食するウミウシ。

観察後はできるだけ早くリリース

全ての生物の確認が終え、まだ元気なうちに全ての魚たちにもとのタイドプールへ逃がす。

明るすぎるバケツの世界からもとの海藻と岩の海へ。

バケツに残りたがる変わった魚もいるが全て元気に泳ぎ去る。

来年くるときは彼たちの子供にお目にかかる。

Good luck !

これから夏が始まる

写真はここで終わるが他にもまだまだ多くの魚がいる。

バケツ内の水が酸欠で死んでしまうので無理な採捕しない。

アゴハゼドロメ、ボラの子供、メジナの子供も沢山いる。

採捕できなかったのはクサフグやチャガラ、アナハゼ、ニシキベラの子供。

深度が違うだけで環境が変わり、生息する生物も変わる。

そしてタイドプールの観察が終わると本格的な夏が来る。

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