3年前の土石流から3年、伊豆山のニシキベラのスポーニング(産卵)
今の伊豆山は水面水温27℃
3年前の土石流災害から復興
3年前土石流の災害に見舞われた伊豆山、今もって行方不明の方もいる。
港内は土砂で埋まり、長い期間をかけた浚渫(しゅんせつ)工事の後、使えるようになった。
水道、電気などのインフラ工事、トイレ、更衣室、温水シャワー室も1年半前に完成し以前のようにダイバーが利用できるようになった。
今日の伊豆山は夏
今日の伊豆山は水面の水温が27℃。
毎日続く猛暑の影響で水面温度が南国のように高い。
深度20mの水温は22~23℃、夏の海。
潜っていて気持ちが良い。
透明度は6~8m。
連日のように大雨が何処かで降っている。
伊豆山のポイントは新根と沖根
潜るポイントは港から3分、真沖にある沖根、深度最大22m、ブイ下22m。
それと港から7分、弁天岩の沖にある新根、深度最大28m、ブイ下16m。
の2つのポイントがある。
両方とも流れも少なく、アンカ-ダイビングなので初心者にも潜りやすい。
打ち上げ花火のようなニシキベラの産卵が面白い
寒くない夏の海
ボートから飛び込み、アンカーラインに沿って深度16mへ潜る。
耳抜き、浮力コンロール問題なし。
水温23℃、素手でも寒くない。
ニシキベラの産卵
ニシキベラがあちらこちらで群れている。
静かに見ていると始まる。
スポーニング(産卵)。
ニシキベラのスポーニングは見ていて面白い。
この時期、あちらこちらの海で見られる。
ニシキベラの産卵期は7~8月
ニシキベラの産卵期は7~8月の水温が高くなる頃。
潮の流れが当たる岩の上部。
そこに沢山のニシキベラが群れていたらスポーニングに違いない。
後は動かずに静かに見ていれば産卵を始める。
花火のような産卵
群れている中の1匹が素早く上昇を始めるとそれに続いて数十匹が上昇する。
まるで磁石でクリップを釣り上げたように見える。
1~2m上昇しメスが産卵すると同時にオスたちが一斉に放精する。
それは夜空に上がる花火のよう。
産まれてすぐ食べられる
中層には小さな粒々と白濁が流され消えていく。
ニシキベラの卵は浮遊卵、受精した卵は流れて生息域を広げる。
今回はメジナがやってきて美味しそうに産まれたての卵を食べていた。
放精放卵した後は水底近くの群れに戻る。
1匹のメスの放卵に従うオスは15~30匹。
メジナに食べられるより多く産む
あちらこちらで産卵行動が始まる。
メジナに食べらる卵もあれば、被害のない卵もある。
メジナに食べられるよりも多くの卵を産むことで子孫を増やす。
雌雄同型同色、メスからオスへの性転換
ニシキベラのオスとメスは同じ模様、同じ色をしているので雌雄を見分けるのは難しい。
大きさも同じぐらい。
ベラの仲間はメスからオスに性転換することで知られる。
メスからオスに性転換した個体は大きな体をしている。
一次オスと二次オス
メスの成魚は体の大きなオスが死ぬと次に大きなメスがオスに性転換する。
だが最初からメスと同じ体の小さなオスもいる。
最初からのオスを一次オス、性転換してオスになったものを二次オスという。
ニシキベラ
大きさ20cmほどの細長い魚。
頭は緑、体は青く赤い点線の柄がある派手な魚。
6mより浅い岩礁域に生息し甲殻類や軟体動物、環形動物をエサとする。