冬でも毎月のように猛毒ヒョウモンダコを見る
スーパーナチュラリスト江之浦
ベタ凪、天気良し
5/12の昨日は久しぶりに良い天気、気温も上がり暖かな気持ちの良い一日だった。
定例会のスーパーナチュラリスト江之浦で潜ってきた。

先週のゴールデンウイークと打って変わった湖のような海。
潮が引いているのでエントリーはやや難しい。
まったく波がない。

はるか沖、水平線まで真っ平。
それでも昼前には弱い南西風が吹く予報。
今日一日問題なく潜れる。
透明度は3日間続いた雨の影響で落ちた。
水温17~18℃、深度3mの浅いところで透明度4m、深度10mより深く潜れば透明度8m見える。
イシダイ
潜降するとまもなくイシダイがやってきた。

そんなに大きくない、30cmほど。
縞模様がハッキリしているのでメスのよう。
ひとなつっこく後をついてくる。
小吉らしい。
そろそろ大イシダイの大介が現れる時期だがまだいない。
グロテスクで地味
この変わった生物は大きさ15cmぐらい。
動きはとってもスロー。

砂に潜ったりもする。
刺激を与えるとアメフラシと同様に紫色の液を出す。
これでもウミウシの仲間でタツナミガイという。
貝ではないけどカイの名前、ウミウシも貝と同じ軟体動物。
もっと地味
さらにこちらの生物のほうがよくわからない。

ベッコウタマガイという。
名前にはやはりカイがつく。
表面に貝殻はなく、体内にそれらしいものがある。
動きはなく、止まっているよう。
どこが頭?で何処が尻?鰓はどこにあるのか?外見だけでは判断できない。
イエローリボン
そしてこれがウミウシの卵。

黄色いリボンが岩に付着している。
ウミウシの種類までは解らない。
大きくしてみると卵だということが理解できる。

イエローリボンは小さな粒々とゼラチン質のようなもので出来ている。
この卵隗一つで何万ものウミウシが生れそう。
そのほとんどが他の動物のエサになる。
海藻に見えるシロガヤ

シロガヤは江之浦にも沢山いる。
産卵期を迎えているようで黄色い米粒のような卵が目立つ。
くれぐれも素手では触らないように。
これでもクラゲの仲間なので刺されてしまう。
3週間は痛痒くてたまらない。
岩の穴に隠れている
何かいる?
こちらを向いている?
2つの目が見える。
そばに寄ってみる。
大きな貝をかかえている。
その正体はマダコ。

パイレーツカリビアンのデイビージョーンズ船長。
6月に入るといよいよタコも産卵期を迎える。
それにしても目立ちすぎ。
ウツボに襲われないように気をつけて。
もう少し沖へ進む

岩の上にでんと乗っているのはヒラメ。
うっかり見逃して通り過ぎてしまった。
大きさ50cmほど、エサになる魚がくるのをここで待ち伏せている。
私が小魚ならすでにヒラメの餌食になっていた。
危ない、アブナイ。
その先に得体のしれぬものが・・・
凄い!今年4回目
当ててみよう?

この子も見過ごして通り過ぎてしまった。
解るだろうか?
当然、岩の真ん中に被写体はいる。
これで解ったらエライ。
岩
ただの岩にしか見えない。
それではズームアップ

さあこれでどうだろう。
被写体はまったく動かない、寝ているのか?隠れているのか?
何に見えるだろうか?
解らなくてもあたりまえ。
さらにもう1枚

少し暗くしてみた。
なおさらわかりずらくなった。
擬態が上手すぎ。
そして動き出した。
猛毒ヒョウモンダコ(ブルーリング オクトパス)

鮮やかなヒョウモン(ブルーリング)が見え始めた。
興奮している。
猛毒を持つヒョウモンダコがついにその特徴を露わにした。
唾液に猛毒を持つヒョウモンダコ、イイダコのような小さい体でもその毒の強さは驚異的。
噛まれたら命がない。
泳ぐ

泳いで移動するヒョウモンダコ、ブルーリングを地味な色に変えて、頭に見える胴体には突起模様を作る。
胴体の先端がやや尖るのがヒョウモンダコの特徴だ。

泳ぐヒョウモンダコを足の裏側から見る。
吸盤がよく解る。
足の中心に猛毒を持つ口がある。
そのあとに見つけたボウズコウイカと比べてみる。
似てるボウズコウイカ

泳いでいるボウズコウイカ。
ヒョウモンダコとは全然違う。
しかし、ヒョウモンダコが早く泳ぐときにはこのボウズコウイカに化けて逃げる。
色も形もそっくりになる。
今年はすごい。
ほぼ毎月ヒョウモンダコ
1月、2月、3月、5月とヒョウモンダコを見ている。
1月のヒョウモンダコの動画 → ここをクリック
ヒョウモンダコが増えているとは思えない。
毎回見るのは1匹だけ。
ヒョウモンダコに愛されているのか。
ヒョウモンダコを見つける目が研ぎ澄まされたのか。
それにしても凄い。
ヒョウモンダコは見たくても中々見れないタコだ。