大相撲は国技でない神事
相撲は国技ではない?
国技館で開催なのに
国技館で開催される大相撲。
場所が始まれば日本国営放送NHKでも必ず放送する。
日本を代表する国技の相撲と思っていたのに国技ではない。
何故国技ではないの?
国技とは
国技とは国を代表する伝統的な武芸やスポーツ、技芸、競技をいう。
国によってはカナダのアイスホッケーやラクロス、ブラジルのカポエラなどのように法令で国技が定められている。
しかし日本では国技を指定する法令はない。
つもり法律で相撲が国技とは決まっていない。
他に国技と思われている柔道、剣道、弓道も法令で定まっていない。
国技ではない
大相撲は国技でない。
正確には法令で相撲が国技であると定められていないというべき。
法律で制定しなければ国技と呼べないのか?
相撲は神事
相撲の歴史は長く1500年以上前から続く。
もともと相撲は神事として農作物の収穫を占う祭りの儀式として行われた。
平安時代には宮廷の行事として300年続いた。
現代だけでなく平安時代にも人気があった。
鎌倉時代から戦国時代、相撲は武士の戦闘訓練として取り入れられた。
上覧相撲(将軍の観戦する大相撲)を開催し優勝したものを家臣に召し抱えた。
江戸時代には神事相撲の他に上覧相撲や勧進相撲(寺の造営や修復費用を捻出するための相撲)が開催される。
相撲を職業とする人が現れやがて定期的に相撲が興行されるようになった。
相撲人気は急激に高まり一般庶民にとって歌舞伎に並ぶ娯楽となる。
明治、大正、昭和、平成、令和と相撲人気は続き、各時代に優秀な力士が名を残した。
国技館になったのは
1909年6月東京都本所回向院に相撲常設館が建設された。
「尚武舘」「國技館」などの名称が候補に上がり、最終的には稲垣退助によって「國技館」に決められた。
大相撲を開催する会場の名前が國技館となったことを当時の新聞は「國技と名づけられたる角力道が榮えゆくべき瑞相とは知られたり」と書いている。
今の言葉で言えば「相撲道が国技と名付けられ今後さらに栄えるめでたい兆しである」。
ここに初めて相撲が国技という言葉が出てくる。
今まで国技の相撲を開催する場所が国技館というイメージだったが逆になった。
相撲は国技
伝統的神事
国技が国を代表する伝統的な武芸やスポーツ、技芸、競技であるならば相撲を国技と呼んでもおかしくはない。
相撲は歴史もあり、神事でもあり、競技であり、武芸である。
国技と法令
相撲は法令で国技として制定されていない。
けれど国技が制定されていない国は日本以外にも多く他に72カ国ある。
世界196カ国の中で国技を制定している国は13カ国だけ。
相撲人気が高い
一般には相撲は国技だと呼ばれ、国技だと信じている人が多い。
相撲人気は高く、海外まで周知される。
逆に若い人にはあまり人気がない。
天皇の認める相撲
国技と呼ばれる大相撲には天皇から天皇杯が下賜される。
他に国技と呼ばれる柔道、剣道、弓道も天皇杯が下賜される。
相撲は日本の国技と呼んでも良いのではないだろうか。