噴火したバリ島からの脱出No,26 ジャワ島スラバヤ空港 やばいよ!やばい!!
ジャワ島の空
ジャワ島スラバヤまで空の旅
飛行機はジャワ島の空。
バリ島のホテルから見えたメラピ山やクスサン山を左下に見ながら飛んだ。
雲の隙間から見えるジャワ島。
ハッキリは見えなかった。
そしてやがて海の上へ出ると高度を下げていった。
スラバヤへ着陸するアナウンス。
陸に近くなると湿地帯が見え、やがて乾いた大地に変わり着陸。
スラバヤ到着
時間は16:00、約1時間半遅れて到着。
次のジャカルタ行きの便が出発するまで4時間半の余裕がある。
次の出発時間は20:30。
土産物を何も買ってなかったので空港内でピーナッツと石鹸を買った。
出来ればこの余裕のある時間に預け荷物を受け取り出国手続きもしたかった。
スラバヤ空港
国際空港
このスラバヤはジャカルタについで2番目に大きなインドネシアの都市、日本へのダイレクト便はないがスラバヤ空港は国際空港。
1時間ほど空港内を探索したが特にやることもないので2階の出発ゲートへ早めに移動する。
待合所のゲート4の前にはいくつかの土産物売り場やコーヒーショップ、バーガーキングまで営業。
場内はフライトの順番を待つカスタマー達で溢れていた。
20:30発ジャカルタ行
フライトインフォメーションの大きな掲示板には20:30ジャカルタ行GA0329便ゲート4と書かれた文字がハッキリ見える。

出発にはまだ余裕があるので待合所内の店を一通り探索する。
一般の客だと思うがバンドの演奏で謡っている人がいる。
空港のイベントなのか?
よくわからない。
プロシンガーでないことはハッキリわかる。
なぜか乾物屋のような店があるのが不思議。
やる気のないバーガーショップ
ハンバーガーのないバーガーキング
18:30を過ぎた頃バーガーキングで夕食をとることにした。
色々なメニューがある。
インドネシアにしては高めでハンバーガーのセットが日本円で1000円から1200円。
それでも食事をとれるのはここだけ。
ハンバガーセットAを頼む。
売り切れだと言われ、さらにBもCもDのセットもハンバーガーは全て売り切れ。
ではフイッシュバーガーのセットを頼む。
それも売り切れ。
何があるの?
フライドポテトとコーラだけ
フレンチフライと飲み物だけ。
仕方なく夕食は少量のフレンチフライとコカコーラ。
空腹が続くよりましだ。
それにしても売るものが無いのにスタッフは6人もいる。
1階のオープンスペースにもバーガーキングがあったはず、何もすることがないなら下に行って在庫を取って来い!
ひとり日本語で愚痴ていた。
このバーガーキングはこの後も沢山のお客さんを断りながら閉店時間の21:00まで営業を続けた。
今日の山場
ゲート4が騒がしい
ゲート4の受付が騒々しい、さっきから多くの人たちが押し寄せている。
ゲート4の上にある表示板には私たちが乗る予定よりも3便前までの情報が表示されている。
一番上の便がdelay 4hours(遅延4時間)、二番目もdelay 4hours(遅延4時間)、三番目もdelay 4hours(遅延4時間)、四番目に自分たちの乗るGA0329便だけがON TIME(定刻飛行予定)。
そういえばさっきから飛行機は到着していない。
待合所の客の数も減らない。
皆色々文句を言ったり、ON TIMEになっているGA0329便にチケット交換を交渉している人もいる。
便によってはお弁当を配られている。
煩いチャイナじじい
特に怒鳴っていたのは中国人の体の大きなおっさん。
ゲート4のチーフstaffだと思われるイスラム衣装の女性に罵声を浴びせている。
staffは声を荒げることなく、モニターを操作しながら、現在の状況を説明している。
チャイナじじいは、ここにいる皆の代表だとか?
皆も同じ気持ちだとか?
怒りが収まらないチャイナじいの大声はさらに磨きがかかる。
こりゃだめだ!
切れてる。
まわりの人間が助け舟を出そうとすると。
だまれ!
しゃべるな!
うるさい!
とばっちりを受ける。
気がつくとチャイナじじいは3人のセキュリティーに囲まれていた。
言いたいことを散々言い、周囲の冷たい視線を浴び、臆するわけでもなく、チケットを交換すると何処へ行くのか?
20人ぐらいの家族を連れて去った。
これが中国人か。
ON TIME
そろそろ時間になるがゲート4は開かない。
心配になってゲート4のstaffに聞くと表示板を見ながらGA0329便はON TIME(定刻飛行予定)だという。
けれどゲートは開かない。
10分が過ぎ。
20分が過ぎ。
出発時間が過ぎた。
頭の中でアラートが鳴る
やばいよ!やばいよ!
これはやばい!
次のジャカルタ空港では1時間40分しか乗り継ぎの時間がない。
預け荷物を受け取って国内線から国際線へ移動、チェックインをして荷物も預けそれから出国手続きもしなければならない。
ジャカルタ空港のサイトでは最低1時間半は必要だと表記されていた。
これは急ぎ交渉をしなければいけない。
交渉人
乗り継ぎの時間は少ない、乗り遅れる可能性がある。
預けてある荷物をそのまま羽田までスルーで運んで欲しい。
それとジャヤカルタ23:55発→羽田行きGA0874便の搭乗手続きも今ここでして欲しい。
出国手続きは自分でする必要があるが飛行機の事務手続きだけ終了していれば最短で空港内を移動することができる。
専用staff
ゲート4の女性staffに事情を説明するとチーフstaffが動いた。
状況を把握してくれたようだ。
直ぐに荷物の手続をしてくれるらしい、ひとりの女性staffに何かを命じた。
荷物の半券を渡し、13:30(予定)発のバニュワギで荷物を預けた事も搭乗券を見せながら説明した。
また、スラバヤ→ジャカルタとジャカルタ→羽田のeチケットも必要だと言うので渡した。
女性staffはチケットを握るとゲート4の奥へ姿を消した。
出発予定の時間から1時間が過ぎようとしている。
表示板には私たちが乗る予定のGA0329便はON TIMEになったままだ。
頼みをちゃんと聞いてくれた
40分ほどして女性staffは戻ってきた。
そして荷物の羽田行きの新しい半券とジャカルタ→羽田の搭乗券も準備してきてくれた。
有難う!
これでなんとかなるかも?
delay 4hours
ON TIMEの文字はやがて、delay 4hours(遅延4時間)という表示に変わった。
ジャカルタで羽田行の飛行機は待っていてくれるのか?
という質問にチーフstaffは「飛行機が待っていてくれることを強く望む」と話を締めくくった。
夕食の甘いパンとクッキーと水が配られた。
ジャカルタへ行こう
ジャカルタ便来たる
夜中の24時ごろ飛行機は来た。
眠い目を擦り、フラフラの体を動かし、飛行機のシートに座り、目をつむった。
次に飛行機のバンドした衝撃の揺れと音で目が覚めた。
やっとジャカルタに到着した。
羽田行きはゲート10
いち早く降りなければ、降りたら空港内を一番左へ、そこから2階へ上がりさらに空港の反対側まで移動。
それから出国ゲートだ。
急げ!
さすがに夜中、人は少ない。
出国審査の係員も1人だけ。
難なくクリアー、羽田行きのゲートは何処だ~?
ゲート10だ。
慌てず、騒がず、急ぎ、走り、走り、走る。
搭乗ゲート10は一番奥にあった。
今でも思い出すあの微笑
やっとたどり着いたとき、ゲートの入り口に6人ほどの地上係員がいた。
羽田行きはここか?
この質問に偉そうな女性staffが微笑ながら言う。
「今何時だと思ってるの!夜中の2時過ぎよ!こんな時間まで待ってる訳がないでしょ!とっくに飛んで行っちゃたわよ!」
優しさも、労わりもないその言葉に現実を確認するのだった。
「このあとどうすれば良いのか?」