土用の丑の日にうなぎを食べる理由とうなぎの旬
土用の丑の日とうなぎ
土用の丑(どようのうし)の日
土用の丑の日といえばうなぎ。
夏の暑い日にうなぎを食べれば元気が出て夏バテしない。
ということで昔から夏の土用の丑の日が一年で一番多くうなぎが食べられる日。
うなぎの値段も一年で一番高い。
暑い日に汗を流しながら、熱いご飯の上に乗る焼きたてのうなぎを食べるのは美味い。
夏にうなぎが獲れる
梅雨が終わり猛暑の夏との境目に土用の丑の日はある。
子供の頃、土用の丑の日になるとうなぎを食べる話が出るのは一年の中で土用の丑の日が一番美味しい日だからだと思っていた。
けれどそれは違う。
昔、冬にうなぎは食べられなかった。
今のようにうなぎ養殖が無かった時代、川の水温が低い冬にうなぎは獲れない。
なぜならうなぎは水温10℃になればエサをまったく食べなくなり、水温8℃になれば冬眠する。
川でうなぎが獲れる季節は水温が一番上がる夏。
うなぎ屋が商売をするにはうなぎが沢山獲れる必要がある。
昔のうなぎ屋、特に川うなぎを扱う、うなぎ屋はうなぎの獲れない冬場は違うものを商った。
なぜ土用の丑の日にうなぎを食べる?
今は周知、多くの人が知っている土用の丑の日とうなぎの関係。
江戸時代、夏は毎年暑さで食欲が無くなり、うなぎ屋が商売にならず困っていた。
学者であり、医者であり、発明家でもある平賀源内に相談した。
医者である平賀源内は栄養とスタミナのあるうなぎを暑い夏に食べることは身体に良いし病気にもなり難い。
けれど江戸の多くの人たちはうなぎの良さをあまり知らない。
うなぎの良さをを人々に知らせるためにはどうすれば良いか考えた。
庶民にうなぎを食べさせるために「土用の丑の日に滋養のあるうなぎを食べれば夏バテしない」という言葉を広めた。
有名な医者の言葉から生まれた言葉は庶民に伝わり、長い年月をかけて「土用の丑の日にはうなぎ」が繰り返えされた。
この言葉が定着し、今も続いている。
うなぎの旬はいつ?
いつ食べても美味しいうなぎ
ちなみにうなぎは夏に食べても、秋に食べても、冬に食べても、春に食べても美味しい。
一年中脂が乗っている。
本当は土用の丑の日でなくてもいつ食べても美味い。
またいつ食べても滋養がある。
けれど天然物のうなぎには一番脂が乗る時期がある。
うなぎの脂が乗る季節
水温の上がる夏に沢山エサを食べて太り秋の9月~12月に一番脂が乗る。
これも棲んでいる場所によって違う。
川に棲むうなぎなら9~10月、海なら水温が上がるのが少しずれるので11~12月。
川の1~4月は水温が低くエサを食べないので痩せている。
うなぎの獲れ始める5月頃はまだ痩せていて脂の乗りも少ない。
土用丑の日、うなぎの脂の乗りはまだ十分ではない。
今は一年中脂の乗るうなぎ
けれどうなぎ屋で料理される現代のうなぎはほとんどが養殖。
現代の室内うなぎ養殖では成長を促すため一年中水温を25℃以上に保つ。
水温が高い方がエサをよく食べ成長が早い。
病気が生じだた場合には水温33℃まで上げて病原菌を死滅させる。
天然うなぎにはシーズンがあるが養殖うなぎは出荷時期に合わせて一年中成長を調整する。
産卵期は脂が減る
また通常魚のメスは産卵期になると卵に栄養を使うため脂が減り味が落ちる。
うなぎの産卵期は一生に一度、それも成長の最終段階。
場所はサイパン島の近く。
産卵のための旅をする距離は2,500km以上。
日本にいるうなぎのメスは天然でも養殖でも産卵期前なので脂が十分乗っている。