珍しいアラリウミウシ、フジイロウミウシとスミゾメミノウミウシの産卵
2024年5月江之浦で珍しいウミウシ
小さなウミウシは写真鑑定
小さなウミウシなどは体の模様は肉眼では解らない。
撮影した後に写真鑑定。
ジックリ時間をかけて詳細な模様と色柄が判明する。
写真鑑定アラリウミウシ
大きさ1.5cm。
体の本体の色は薄いオレンジ、外縁は白いラインに覆われる。
その内側には不定間隔に赤紫の斑点がある。
触角とエラはオレンジ色。
触角の間から正中線上を白線が走り、エラの周囲を覆う。
白線がエラ覆わないクラサキウミウシがいる。
1cmのフジイロウミウシ
大きさ7mmでは肉眼での判別は難しい。
触角もエラの体内に埋没させていればヒラムシに見える。
触角とエラが伸びている写真が撮れた。
この子も江之浦には普通いないウミウシ。
フジイロウミウシの未成体。
体本体の色は名前通り藤色。
外縁全体を白線が覆う。
触角とエラは赤。
触角の間から正中線上を白線がエラまで通る。
ケムシんぴょうに岩から垂れていたコガネミノウミウシ
ケムシのように岩の海藻にぶら下がっていたコガネミノウミウシ。
大きさは2cm。
過去1回だけ江之浦で見たことがある。
体本体の色は白い半透明。
ミノのフサフサ部分と触角は黄色。
ミノウミウシの仲間はミノの部分には食べ物から得た刺細胞を隠しているので素手で触れるのは止めた方がよい。
ただいま産卵中のスミゾメミノウミウシ
スミゾメミノウミウシの棲家はヤギモドキウミヒドラ
大きさ6cmのスミゾメミノウミウシ。
墨で染めたように黒っぽい。
濃い赤紫色のような感じでミノの先端は白い。
ヤギモドキウミヒドラの仲間を棲家とする。
またヤギモドキウミヒドラのポリプをエサとして刺細胞をミノに溜める。
雌雄同体のウミウシ
そしてこの時期ピンク色のリボン状の卵を産む。
雌雄同体のウミウシの仲間は単独では受精卵を作れない。
けれど同種の個体が他に1匹居れば相手には精子を与え、自分も精子を貰い受精ができる。
スミゾメミノウミウシの卵はピンクのリボン
スミゾメミノウミウシはヤギモドキウミヒドラにリボンを巻き付けるように産卵する。
写真を撮って拡大するとゼリー状のリボンの中に卵の粒が見える。
肉眼では見えなかった卵が良くわかる。
何十万粒もの卵がまもなく孵化する。
孵化した幼生はプランクトンとなって水中を漂う。