桜餅の桜葉日本一の生産量
西伊豆松崎の桜葉日本一
大きな樽
この大きな樽は何?
ここは静岡県伊豆半島の南西部にある松崎町。
駐車場の片隅にあるこの大きな樽、高さは人の背丈以上。
みやげもの屋のおばちゃんにそこに大きな樽があるから見ていけと勧められた。
今まで何度ものここを通っているが気がつかなかった。
それにしても大きい。
人間なら何人入れるのか。
桜の葉を漬ける樽
樽は桜餅などで食べる桜の葉を漬ける樽。
この松崎で作っているとは知らなかった。
それもなんと生産量は日本一。
日本の食用桜葉の7割をここ松崎で作っている。
松崎の桜葉がなくなったら大変。
薪炭を作っていた
以前松崎では桜葉漬けを作っていなかった。
松崎では昭和の中頃まで薪炭生産が盛んだった。
やがて炭は石油燃料に代わり薪炭の需要が無くなる。
この薪炭を作る材料のほとんどが桜であり、この松崎には多くの桜があった。
明治の頃、南伊豆の子浦地区で山の桜で桜葉漬けが始まった。
昭和中期、松崎の薪炭生産の代りに子浦から桜葉漬け産業が松崎に移り広まる。
オオシマザクラの桜葉漬け
オオシマザクラ
松崎で薪炭のために栽培していた桜はオオシマザクラ。
オオシマザクラは伊豆半島、伊豆七島、房総半島で自生しており、特に伊豆大島に多く自生しているのでオオシマザクラの名前がある。
オオシマザクラは他の桜より香りが強く、葉の形も良く、また葉の裏に産毛が無いのが特徴。
桜葉の収穫
毎年1月下旬から2月に枝を剪定する。
5月上旬より新芽を1枚づつ手摘みで収穫。
収穫作業は8月下旬まで続く。
桜葉漬け作業
収穫した桜葉は同じ大きさの葉を50枚カヤの紐でくくり、その日のうちに杉で作られた大きな樽に漬けられる。
樽の中に2~3人が入り、中心部分から桜葉の束を同心上に並べていき、塩をふる。
この作業を繰り返し段を重ねていく。
樽がいっぱい(桜葉200万枚)になると蓋をして10トンの重石を乗せる。
熟成期間は5~6ヶ月、そして完成。
桜葉漬けの利用
塩漬けの桜葉は桜餅で有名、ここ松崎では桜葉餅と呼んでいる。
その他、日本料理、桜葉アイスクリーム、桜葉クッキー、桜葉ワイン、桜葉そば、桜葉カステラなどに使われる。
松崎の観光土産品としても販売。