命を預けるダイビングレギュレターとはどんな仕組み?2st編
セカンドステージはどのように空気が出るのか
第2減圧部の構造
口で咥える部分がセカンドステージ。
日本語では第2減圧部。
ファーストステージ(第1減圧部)から中圧ホースを通って空気が流れる。
内部空気圧は10気圧。
セカンドステージに入ると低圧弁でブロックされる。
セカンドステージの弁はダウンストリュームバルブ
低圧弁は空気が流れる下流に向かって弁が開くのでダウンストリュームバルブと呼ばれる。
ダウンストリュームバルブはスプリングの力だけで弁を閉じている。
ダウンストリュームを理解するためにアップストリュームバルブを考えるとわかる。
ダウンストリュームバルブと逆のアップストリュームバルブ
例えばお風呂の栓はアップストリュームバルブ。
お湯が流れでる方向と逆向きに栓が開く。
湯の量が多くなって圧力が大きくなると蓋をする力が強くなる。
ダウンストリュームバルブはお風呂の栓とは逆。
圧力が高くなると漏れてしまうようなバルブ。
デマンドレバーでバルブが動く
ダウンストリュームバルブはデマンドレバーと言われる6cmほどのストレンスのレバーで開け閉めしている。
デマンドレバーの片方はダウンストリュームバルブに接し、もう一方はダイヤフラムと言われるゴムの膜に接っする。
息を吸うとダイヤフラムを吸引
息を吸うとこのダイヤフラム(薄い丈夫なゴムの膜)が口の方へ吸い寄せられる。
するとデマンドレバーが動きバルブが開く。
そしてセカンドステージの内へ空気が流れ込む。
息を吸っている間はこの状態が続く。
息を止めたり、息を吐くとダイヤフラムは元に戻る。
続いてデマンドレバーも元に戻る。
息を吐くと空気は止まる
そしてセカンドステージへ流入する空気は止まる。
吐いた空気は、口下にある排気弁(エキゾーストバルブ)から外へ吐き出される。
この動作が繰り返されることによって呼吸が継続できる。
レギュレターが故障するとエアーが出っぱなし
レギュレターが故障した場合、空気は止まらず出っぱなしになるような仕組み。
故障すると中圧が10気圧より高くなる
何故かというと、ファーストステージの高圧弁が傷つきエアーが漏れ、中圧室の圧力が10気圧より高くなる。
そのまま圧力の高くなった空気が中圧ホースを通ってセカンドステージへ流れる。
ダウンストリュームバルブは圧力が高いと耐えられず、空気が漏れる。
漏れた空気はセカンドステージ内に入り排気弁から外部へ漏れる。
これが高圧弁が損傷した時のフリフローの状態。
アップストリュームバルブだと空気が出なくなる
もしこのダウンストリュームバルブがお風呂の栓と同じアップストリュームバルブならどうなるか?
お風呂の栓と同じ向きのアップストリュームバルブなら圧力が高くなるほど空気が漏れないようにバルブを強くシールし空気が出なくなる。
空気の圧力が高くなり過ぎればホースもバーストする。
故障すると空気が吸えない恐ろしいレギュレターになる。
ゆえにセカンドステージにはアップストリュームバルブは使えない。
ダウンストリュームバルブの機構が大事。
ダウンストリュームバルブであれば呼吸ができる
ダウンストリュームバルブであれば空気は止まらず空気が出っぱなしになる。
安全に潜るためにスクーバダイビングではレギュレターが故障しても空気が止まるのではなく、空気が出っぱなしになる仕組みを使っている。
これをセーフティー機構という。
初心者コースではフリーフローレギュレターの呼吸の仕方も覚える。
命を守るためダイビングレギュレターも安全性が考えられている。