今年もアオリイカの産卵が始まった
5月の江之浦
ダンゴウオは消えた
ゴールデンウイークも過ぎ5月中旬、江之浦の水温は17℃。
ダンゴウオは先週末から姿を消した。
石の下に隠れたのか?
冷たい水温の深い場所に旅立ったのか?
解らない。
今度顔を見られるのは再び水温が下がる12月末から来年の1月ごろ。
アオリイカの産卵床
今、伊豆のあちらこちらのダイビングスポットにはアオリイカが産卵するための産卵床を深度10m前後の水底に設置している。
産卵床は山から切り出してきたサカキやヒノキなどの間伐材、または海藻のホンダワラを束ねて岩や土嚢などの重りに結わきつけ水底に沈めたもの。
この産卵床は3月中旬ごろ設置される。
産卵前に回遊してきたアオリイカに見せるために早めに設置する。
本来、アオリイカはホンダワラやカジメなどの海藻に卵を産み付ける。
漁師が見つけた
しかし山から切り出した青葉付きの原木を沈めるとアオリイカが好んで産卵することを漁師がみつけた。
アオリイカを捕るために漁師はこの方法を利用。
ダイビングポイントに設置された産卵床は漁のためではない。
ダイバーがアオリイカの産卵を見られるようにするのが目的。
毎年、江之浦でも5月中旬ごろアオリイカの産卵が始まる。
そしてそれは6月末まで続き、7月10日前後に卵から子供が孵化する。
アオリイカの産卵始まる
真っ白なタマゴ
そして今年も産卵が確認された。(昨年2017年のアオリイカの産卵はコチラ ⇒ クリック)
まだ数はそんなに多くない。
水温が17℃なので18℃まで上がればいよいよ本番という感じ。
これから徐々に増えていき40匹以上の大産卵が期待できる。
そのシーンはとても言葉では表現できない。
夫婦水入らず
アオリイカは雄雌1匹づつのでカップルで産卵する。
産卵床から少し離れた中層で交接。
オスはメスより体が大きく60cm以上、縞模様でメスは水玉模様。
オスの10本あるうちの1本だけが性触手。
ちゃんとエッチをする
性触手の内側の溝に沿って精子の入ったカプセル(精莢)を移動させ、メスの体の中へ挿入してカプセルを放す。
上記動画は1分18秒後に交接するシーンがある。
カプセルが割れると精子が飛び出し卵に刺さるように受精。
産卵
メスは卵が受精すると産気づき産卵床へ下りてくる。
オスはその間ずっとメスに付き添い、外部の邪魔が入るのを防ぐ。
メスは卵の入った房を一つ枝に巻き付けると、カップルでまた中層へ上がっていく。
これを何度も繰り返す。
完全に産卵を終えたアオリイカのほとんどは死んでしまう。
だがその死骸を一度も見たことがない。
何処で生涯を終わるのか?
直ぐに誰かに捕食されてしまうのか?