ダイバーなら見なきゃ損!アオリイカの産卵

アオリイカとは

アオリイカの味

イカは好きの人は一見。

刺身で食べると甘くて美味い。

獲りたて新鮮なイカはコリコリ、熟成が進むと柔らかく甘さが増す。

コリコリ感を美味いと誇る人、柔らかくネットリした甘さを美味いと思う人、獲れる場所と鮮度によって人それぞれ違う。

ダイビングでよく見られるイカはアオリイカ

産卵のためペアになるアオリイカ

1mにもなるアオリイカ

一年で大人になりオスは1m近くになるものもいる。

そのため別名バショウイカとも呼ばれる。

「西遊記」孫悟空に出てくる芭蕉扇のバショウが語源。

バショウはバナナに似た植物、葉がとても大きい。

バショウの葉っぱのように大きくなるイカがバショウイカ、つまりアオリイカ。

最近はTVの釣り番組で餌木というルアーを使ってアオリイカを釣るシーンを見る。

アオリイカの生息

アオリイカの分布

アオリイカは背が立つような浅い海から深度40mぐらいの沿岸近くに広く分布している。

餌は主に小魚、エビも捕食する。

釣りで使うルアーの色模様も様々。

餌を獲る時は10本ある足のうち、触腕手という2本だけ長く伸びる足で獲物を捕らえる。

イカとタコの吸盤は違う

アオリイカの狩りは面白い。

獲物に近寄り、長い2本の触腕手を倍以上伸ばし、足の先にある吸盤のような鉤爪で捕まえる。

イカの足は吸盤状に見える部分には丸い鉤爪が付いている。

タコの足は吸盤でイカとは違う。

狩りのシーンを見ていると失敗することが多い。

エサに逃げられる姿をよく目にする。

運よく捕まえた時は「絶対逃がさないぞ!」とダイバーが近づいてもあまりに逃げない。

魚のアイゴを捕まえたアオリイカ
アイゴを捕食中のアオリイカ

食べるのに夢中。

というより獲物が大きく、早く泳げない。

アオリイカの産卵期

関東周辺の産卵期は5月~6月、場所によっては9月まで産卵が定期的に繰り返される場所もある。

産卵は主に海藻の茂っている藻場。

深度6~20mの藻場に卵を絡めるように産み付ける。

画像はアオリイカの産卵のために人工的に作った産卵床。

アオリイカは一夫一婦制。

中層で交尾をして受精した卵をメスが産みつける。

産卵している間、邪魔が入らぬようオスはメスに付き添う。

産卵床に産みつけられた沢山のアオリイカの卵
アオリイカの卵

横恋慕しようと他のオスが入ってくると威嚇して追い払う。

産卵後、再び交尾をするため2匹で中層へ向かう。

この行為を繰り返す。

産卵後にアオリイカは1年の寿命を全うする。

ハッチアウトしたてのアオリイカの赤ちゃんは丸い栄養玉を抱えている
アオリイカの生まれたて

卵は7月上旬、5mmほどのイカになりハッチアウトすると水面へ向かう。