キンメモドキの不思議、キンメモドキの名前の謂われ
キンメモドキのパワー
あちらこちらに群れているキンメモドキ
毎年ケラマの海で潜って気になっていることがある。
それはキンメモドキという小さい魚。
今回もあちらこちらの場所で群れていた。
キンメモドキが群れる場所は同じ
群れる場所は決まっている。
決まった同じ大きなサンゴ岩。
または赤い大きなオオイソバナ。
隠れる場所があることが基本。
敵に襲われることは日常茶飯事
毎年、どれだけのキンメモドキがエサとして襲われているのだろうか。
ある時は2~3匹のカスミアジがやってきて水中を乱舞するように捕食する。
時にはスマだったり、イケガツオが廻ってきたり、インドカイワリもやってくる。
捕食者と捕食される側が一緒の隠れ根に棲む不思議
面白いことにキンメモドキの群れが棲む根には決まって大きなユカタハタも一緒に棲んでいる。
ユカタハタはキンメモドキにとって敵である捕食者。
ユカタハタにとっては家賃なしのレストラン付きマンションに棲んでいることになる。
腹が減ったらいつでもキンメモドキを捕食。
食べられても居続けれるキンメモドキ
それでもキンメモドキの群れは隠れ家を去ろうとしない。
キンメモドにとっては根を離れた方が捕食される確率が高い。
1日に10匹以上食べられても群れ全体としては隠れ家に棲んでいる方が存続できる。
春から初夏にかけて群れは大きくなり、秋から冬にかけ小さくなる。
食べられて少なくなった分、また復活する。
食べられても食べられても復活するキンメモドキの群れ。
捕食者にとっては良いエサ場
捕食することでキンメモドキの増えすぎを防ぎ全体のバランスが整う。
キンメモドキが少なくなると捕食者はキンメモドキを襲うのを止め、違うエサ場へ引っ越す。
キンメモドキの群れが大きくなるとまた捕食者は戻ってくる。
キンメダイの名前の謂われ
キンメモドキとは
キンメモドキは体がスケルトンでややピンク色、目は黒。
生息域は千葉県から赤道直下までの深度10~20m、大きさは6cmと小さい。
夜行性で夜は隠れ家から外に出てプランクトンをエサにする。
ウミボタルを捕食し、ウミボタルの発光物質を腹部や肛門部分に蓄え発光する。
キンメダイとは
そもそもキンメモドキの名前はなぜ金目がつくのか?
キンメモドキの目は金色ではない。
金色の目をした魚はキンメダイ。
赤い色の深海魚、目が金色に輝くことから金目鯛と呼ばれる。
生息域は北海道からパラオ付近までの深度100~800mに生息する肉食性の魚、大きさ60cm以上に育つ。
夜の暗い時間は深度100m前後の比較的浅めの深度にもやってくるが明るくなるとは深い深度へ移動する。
刺身やキンメの煮つけが美味く、近年はキンメのシャブシャブも人気。
キンメモドキはキンメダイに似てるのか?
大きさと生息深度が全然違うキンメモドキはキンメダイに似てるのか?
比べてみる。
大きさを同じに、色をモノクロにして並べる。
すると形がソックリ。
大きな目玉。
大きな口。
背ビレはひとつ。
胸ビレ、腹ビレ、尻ビレの位置も同じ。
見比べれば納得。