ダイビングと釣りでは違う種類の魚、擬態名人オニカサゴ
オニカサゴは擬態の名人
カサゴ御三家の一家オニカサゴ
今回はオニカサゴ。
江之浦で年中見られるカサゴの仲間はこのオニカサゴを含め3種類だけ。
江之浦カサゴ御三家。
伊豆半島や房総半島でも普通に見られる。

オニカサゴは皮弁が体を覆う擬態の名人
上の写真のようにオニカサゴは体中にゴミのようなものをつける。
岩やゴミのように見え魚らしくない。
顔はウルトラQに出てきた小怪獣ピグモンにも似ている。
ゴミのようなものは皮弁と呼ばれ皮膚が退化したもの。
色もハッキリしない。
水底の岩やテングサなどの海藻に同化して保護色。
ほとんど動かない。
岩と同化して他の魚は気付かない。
目の前を通った魚を襲う。
オニカサゴは毒棘いっぱい
オニカサゴは背ビレ、腹ビレ、尻ビレ、顔などに毒の棘を持つ。
触らないのが一番。

真上から顔を近くで見ても解りずらい、顔の周りの皮弁がよくわかる。
毒棘の背ビレは通常は閉じている。
ダイビング中も気軽に水底を触る人がいるがよく注意してから触る方が賢明。
ステンレス支持棒は役にたつ
ステンレスの支持棒などを使い直接水底を触らぬようにするのも方法のひとつ。

慣れないとまったく存在に気がつかない。
ダイバーが手を着く前に大抵オニカサゴの方が逃げていく。
けれど注意は大事。
英語ではオニカサゴやオコゼの仲間をストーンフイッシュ(石魚)またはスコーピオンフイッシュ(サソリ魚)と呼ぶ。

この写真はカサゴ(下左向き)とオニカサゴ(上右向き)が並んでいる珍しい写真。
カサゴとオニカサゴを見比べるのに便利。
顔や皮膚はまったく違う。

見れば見るほど魚らしくない。
海藻やゴミをつけたような顔。
オニカサゴは卵生
ちなみにカサゴは交尾をして子供を産む。
それに対しオニカサゴは卵を産む。
カサゴのように交尾はしない。
中層に浮かび上がり放卵、放精をする。
ダイビングのオニカサゴと釣りのオニカサゴは違う
釣りではイズカサゴがオニカサゴ
ダイビングで見るオニカサゴと釣り師が釣るオニカサゴは同じ魚ではない。
釣りの対象魚となっているオニカサゴは別の種類。
ダイビングで見るオニカサゴの正式名がオニカサゴ。
釣りで人気のオニカサゴの正式名はイズカサゴ。
イズカサゴは深海に棲む美味い魚
イズカサゴは深度100~200mの深い場所に生息。
レジャーダイバーが潜ることの出来ない深度。
食べると美味いので釣り人に人気がある。
数多く釣れる魚ではない。
味はダイビングで見るオニカサゴより深海に棲むイズカサゴの方が美味い。