沖縄の酒泡盛、古酒の話
沖縄の泡盛
タイ米を黒麹で発酵させ蒸留
沖縄の酒と言えば泡盛。
泡盛はタイ米(インディカ米)を黒麹で発酵させ蒸留して作る。

泡盛には古い酒と書いてクース「古酒」と呼ばれるものがある。
古酒は泡盛を時間をかけて熟成させたもの。
古酒(クースー)
では古酒と呼ばれるは泡盛はどれぐらいの熟成期間が必要なのか。
現在の基準(2015年8月以後)では古酒と表記できるのは瓶の中身の泡盛100%が3年以上のものを古酒と限定している。
これは基準以前に表記された瓶には該当されない。
3年物の古酒と5年物の古酒を混ぜた場合は最小年数の3年の古酒表記をする。
泡盛は時間をかけて熟成すればするほど香りが芳醇になり、味がまろやかになると言いれる。
仕次
古酒には仕次という伝統的な保存方法がある。
一番古い甕の古酒を飲んで減った分、次に古い甕から足し、その減った分をさらに次に古い甕から足すという方法。
順次少しづつ新しいものを足すことによって古酒の味を保ち酢になるのを防ぐ。
最古の古酒
第二次世界大戦の末期、アメリカ軍の艦砲射撃や航空機の戦火によって100年、200年を超える古酒は殆どが破壊され失われた。
もっとも古い古酒は約150年と言われる甕で識名酒造が守り続けている。
販売はされていない。

識名酒造が戦火から古酒を守った方法
艦砲射撃などの烈火でも古酒が破壊されずに残った理由には識名酒造の知恵と努力がある。
識名酒造の主が首里に戦火が及びそうになると庭の地中深くに古酒の甕を埋めた。
地中深くに古酒甕を埋めることで烈火の熱と爆撃による衝撃から守った。
この時埋められた古酒甕は3本。
後日焼け野原になった焼け跡から掘り出せたのは2本の古酒甕。
1本の古酒甕は破壊されていた。
現在の残るのはこの2本の古酒甕。
60年以上前の出来事。