透明度が悪いのは栄養豊富な証拠
透明度が悪いのは汚れているのではない
どんより天気
朝の江之浦は少しどんより。
暗い雲だが雨は降っていない。
波は昨日の低気圧の影響でウネリが残り、時おり大きめの波が連続して入ってくる。
海に入れないほどではない。
ただウネリが来るたびに幾分海底では体が揺らつく。
水温は21~22℃もある。
透明度が落ちている
けれど透明度が2週間前から落ちている。
3~6m。
もともと季節的に透明度が落ちる時期。
4月と5月の透明度が良すぎた。
理由は強い西風が長い間吹いていたため表層の濁った水が沖へと流され、深い深度の透明度の良い水が上がってきていたと予測。
アップウエリングという現象。
例年なら今日のように透明度が悪いというのが正しい本来の透明度。
栄養豊富な水
透明度とプランクトン
透明度が悪いから汚い水というわけではない。
この透明度の悪さは栄養分が豊富に含まれていることを意味する。
水温が上昇する今の季節はプランクトンが増える。
まず最初、表層近くに植物プランクトンが増える。
それを食べに動物プランクトンが集まる。
脂ののる美味しい魚
イワシ、アジ、サバの幼魚たちはこのプランクトンを食べて美味しい脂の乗った魚になる。
透明度の良い南の海にはこのような栄養は少ない。
ゆえに魚は日本の本土周辺から北の海の魚の方が脂の乗りが良い。
南の海で脂の乗った美味しい魚を期待してはいけない。
スマは別だが。
海藻と透明度
また海藻の多くは冬に育つものが多い。
例えば江之浦のワカメは2月入ると芽が出始め3月には美味しいワカメに育ちメカブができる。
4月に入り水温の上昇とともに先端から枯れ始め水に溶けていく、メカブからは子孫繁栄のための胞子を出し透明度が落ちる。
5月~6月ワカメはどんどん水に溶けていく。
これらは透明度が落ちる原因のひとつ、そして海が栄養で豊かになっていく。
7月に入るとワカメの形跡はなくなる。
ワカメだけではなく他の海藻も枯れて溶け出すものも多い。
関東周辺では海藻が光合成できるのは深度20mまで。
それより深いと海藻は生きていけない。
雨と波と透明度
また雨が降ると土や枯葉など色々な栄養を含んだ濁った水が川から海へ入り込む。
河口周辺の海は特に濁る。
低気圧や台風などが近づいて大きな波が続けて海岸に打ち寄せると水底の石が動き砂が舞い透明度が悪くなる。
ゆえに透明度が悪くなるのは海岸近くの海が多く、江の浦でも沖へ2~3km行くと、深度が深く、陸水や波の影響を受けない青い海がある。