肺と鰓の違い、水中で鰓を使って呼吸できないか?
空気中と水中の酸素
空気中の酸素
空気は21%の酸素と79%の窒素、それと極微量な色々なガスが混じっている。
ほとんど酸素と窒素の混合ガスと言っても問題はない。
つまり1リットルの空気の中には21%、0.21リットルの酸素が溶け込む。
それを人間や動物は呼吸して取り入れる。
水中の酸素
水の中にはどれぐらい酸素があるのか?
水中での酸素の量は温度、気圧、汚染などによって違ってくる。
綺麗な水中では溶け込んでいる酸素の量は比較的多い。
1気圧下で、海水温20℃で0.004%の酸素が溶け込んでいる。
1リットル1000ccの海水に0.004%、0.04ccの酸素しか溶け込んでいない。
陸上に比べれば無いに等しいとも思う量。
気体と液体なので数字では比べ難い。
取入れの効率
陸上の空気を私たちは肺で呼吸する。
1リットルの空気の中には0.21リットルある酸素の取入れ効率は20%だけ。
沢山の空気を口で吸いこんでも全体の酸素の20%しか使用していない。
水中で鰓で呼吸する魚達は水中に溶けているわずかな酸素を80%の効率で使用している。
人間の肺と魚の鰓
人間の呼吸
口と鼻から空気を吸い、気道をとおり、気管支に入り、最後に肺へと到達する。
肺は1枚の袋で出来ている訳ではない。
肺胞と言われるブドウの房のような形で、沢山の肺胞が息を吸った時に膨らむ。
肺胞は沢山の毛細血管と繋がっていて、血管の中を血液が流れ肺胞へ運ばれると肺胞の表面で二酸化炭素を放し、酸素を取り入れる。
取り入れた酸素は血液内のヘモグロビンに結び付き、また血管を通って心臓へ運ばれ各抹消細胞へ運ばれる。
抹消細胞で血液はヘモグロビンと結びついた酸素を放し、二酸化炭素を受け取りまた血管を通って肺まで辿り着く。
肺は空気中の酸素を効率20%で体に取り入れるために存在するが水中の酸素を取り入れることが出来ない。
鰓の呼吸
鰓は肺の肺胞と似ている部分がある。
鰓は沢山の毛細血管が集まってできている。
この鰓の毛細血管の表面で血液中の二酸化炭素を放し、酸素を取り込みヘモグロビンと結び付き新鮮な血液を体の抹消細胞へ送る。
血液の循環は人間の血液循環とあまり変わらない。
違うのは肺と鰓の違い。
空気中の酸素を取り込むために発達した肺と水中の酸素を取り入れるために発達した鰓。
水中では酸素が少ないために80%の高い効率で取り入れる必要がある。
魚の鰓は浸透圧の調整やアンモニアの排出の働きもしている。
人工鰓
現在人口鰓としてAMPHIBIO(アンフィビオ)というものが出てきた。
実際に使ってみないと良し悪しは解らないが面白い。
現在はまだ開発途中。