シシャモとカラフトシシャモは何が違う?
シシャモとカラフトシシャモ
シシャモの偽物
シシャモとカラフトシシャモは違う魚。
同じキュウリウオ科の魚だがシシャモはシシャモ属でカラフトシシャモはカラフトシシャモ属。
などと言ってもよくわからない。
本物も偽物もシシャモ?
店頭にはカラフトシシャモが当然のようにシシャモとか子持ちシシャモと言う名前で販売されている。
ハッキリ言って偽物。
現在は分けるために純シシャモを本シシャモと呼んでいる。
カラフトシシャモの英語名はcapelin(カペリン)と呼び、本シシャモと分けるために専門家はカペリンと呼ぶ。
本シシャモとカラフトシシャモの違いは
本物と偽物の色と大きさ
本シシャモの色は黄色っぽい色なのに対し、カラフトシシャモ(カペリン)は青っぽい色をしているので店頭で並んでいても直ぐに見分けられる。

こちらの商品は子持ちししゃもという商品名。
本物と思って購入する。
裏側のシールには原材料名からふとししゃも書かれている。
本ししゃもではない。
魚種名はカペリン。
大きさは本シシャモの方がやや大きい。
シシャモの生息域と産卵
本シシャモは日本の固有種で北海道の太平洋側だけに生息。
カペリンは太平洋と大西洋の寒海、北極海、グリーンランド沿岸、北海道のオホーツク海沿岸を回遊。
本シシャモの寿命は2~3年で、成熟するとサケと同じように秋に川を遡上し産卵する。
産卵で寿命を全う。
しかし一部のメスは海へ戻り、翌年の秋になると産卵のため再び川を遡上する大型になる3年魚もいる。
現在、北海道で本シシャモの遡上が確認されている川は15本だけしかない。
遡上する本シシャモに対し、カペリンは川を遡上しない。
偽シシャモがある理由
乱獲の末
昭和の中期までは産卵のために遡上してくる本シシャモは大量にいた。
子供でも玉網ですくえるほど捕れたが乱獲のために激減。
現在は指定された漁師だけが1か月半の漁期を定め、漁獲制限をして水揚げしている。
ゆえに本シシャモの水揚げが空くなく流通も少ない。
本シシャモが捕れなくなった頃、代わりに入ってきたのがカペリン。
子持ちシシャモの輸入
アメリカなどで食用とされていないカペリンを水揚げして大量に輸入。
特に子持ちのメスだけを生干しした状態で輸入し、子持ちシシャモという商品名で販売。

魚卵の食感と脂がのる子持ちシシャモは人気になった。
子持ちシシャモとして売られている魚はほとんどがこのカペリン。
オスは人気がないため輸入されなかったが形の崩れたメスの卵をオスの口から腹へ詰め込んだ「子持ちシシャモ(オス)」という奇妙な商品が並ぶ時もある。
本シシャモの味
本シシャモはオスが人気
本シシャモはメスよりもオスの方が脂がのって甘みがあり旨いと人気。
メスは卵に栄養を取られ卵は旨いが身の肉は脂が少ない。
店頭に本シシャモが並ぶことはほとんど無く、並んでいたら珍しい。
もし、本シシャモを販売している魚屋や飲み屋があればきっとこだわりの店。
自分でチェック
今度、子持ちシシャモのパッケージを見つけたら裏に貼ってあるシールを見て欲しい。
きっとそこには原材料カラフトシシャモまたはカペリンという文字があるはず。
そして現在、カペリンも乱獲により漁獲制限が行われている。